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コルト・カナダが開発中の次世代型ライフル「MRR C7/C8 Upgrade」 アメリカ海兵隊も開発に参加中

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先日行われた王立カナダ軍事研究所でのコルト・カナダ総支配人の講演で、コルト・カナダが開発中の次世代型自動小銃の内容の一部が明らかになった。
コルト・カナダの前身、ディマコ社はカナダ軍向けにライフルレングスのC7自動小銃シリーズ、カービンレングスのC8自動小銃シリーズを納入している。ユーザーとしては他にもデンマーク軍、オランダ軍、スウェーデン軍やイギリス軍などが挙げられる。特に英軍では陸軍特殊部隊SASでの使用例がある。

現在はフリーフロートバレルでM-Lokハンドガードつき一体型アッパーレシーバーを備えたMRR(マルチレールライフル)が最新モデルとなっているが、その更に次のモデルの想像図として紹介されたのが「MRR C7/C8 Upgrade」である。

コルト・カナダが開発中の次世代型ライフル「MRR C7/C8 Upgrade」 アメリカ海兵隊も開発に参加中
これはMRRを元に一体型のサウンドサプレッサーと、電子デバイス用電池パックを内蔵した伸縮式ストックを装着したもの。カナダ軍の他、アメリカ海兵隊やイギリス国防省の関係者と連携しながら開発をすすめているという。

特筆すべきは様々な情報をオーバーレイ表示できる4倍固定のスコープ。内蔵コンピューターによって位置情報や距離に応じたレティクルを表示したりできる他、コルト・カナダとジェネラル・ダイナミクス社が開発中の兵士用統合情報ネットワーク「SWORD」と通信させることで、UAV(無人偵察機)などから得られる敵位置の情報を表示させることもできる。

SWORDは元々、PDAやスマートフォンといった携帯型情報機器で使用するデモが行われていたがこの機能が照準器に統合される模様。レールに露出した電極に取り付ければハンドガード上に配したボタンで表示を切り替えるなど他のアタッチメントとの通信も可能である。

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SWORDの動作でもはこちらから。土手で直接見ることができないターゲットに対し、UAVから情報を得て40mmグレネードを撃ちこむことに成功している。

SWORD DEMO NEV 2014 - YouTube
ライフルや5.56×45mm弾の性能向上はほぼ限界にきており、これ以上打撃力を上げるならネットワーク化によって個々の持つ火力を集中しなければならない、というのがコルト・カナダのコンセプトである。これについてコルト・カナダの主要顧客であるカナダ軍や同じ英連邦のイギリス防衛省が関係するのは当然として、アメリカ海兵隊もまた開発に参加しているのが、彼らの将来の戦略を伺わせ、興味を引く点である。

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201609
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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