【エアガンレビュー】7.62mmARの初ガスブロ化、VFC「KAC Mk11 Mod.0」レビュー
皆さんごきげんよう、ライターのイヌイです。
今回は先日発売された話題のガスブローバックライフル、VFCの「KAC Mk11 Mod.0」を紹介します。
7.62mmのARとしては初のガスブロ化となるモデルですが、その再現度や動作はどうなのでしょうか。実勢価格が10万オーバーだけに「買って確認すればいいや」というわけにもいきません。そのデキが気になっている人も多いと思います。
そんな方はぜひ参考にどうぞ!
今回の取材協力は東京・新宿のエアボーンさん。
以下の販売価格(税別)はエアボーンさんのものです。
今回は先日発売された話題のガスブローバックライフル、VFCの「KAC Mk11 Mod.0」を紹介します。
7.62mmのARとしては初のガスブロ化となるモデルですが、その再現度や動作はどうなのでしょうか。実勢価格が10万オーバーだけに「買って確認すればいいや」というわけにもいきません。そのデキが気になっている人も多いと思います。
そんな方はぜひ参考にどうぞ!
今回の取材協力は東京・新宿のエアボーンさん。
以下の販売価格(税別)はエアボーンさんのものです。
エアソフトガンショップ エアボーン
http://www.airborne-shop.com/
まずは簡単に実銃の紹介をすると、「Mk11 Mod.0」はKAC(Knight's Armament Co.)が1990年代にAR10(7.62mm)をリファインして設計・製造した高精度なライフル。作動は5.56mmのM16/M4と同じリュングマン方式で、実際に6割以上のパーツが共用だとか。
Mk◯◯の名前で分かる通り米海軍(および海兵隊)に「スナイパーウエポンシステム」として採用されたモデルです。
正式にお目見えしたのは(おそらく)2004年版のナイツのカタログで、ここに新製品として掲載されています。
写真はサプレッサー用スリットのあるガスブロックを備えているので、海軍が使用しているMk11 Mod.0がまさにこれ。ただ、実際には2001年前後のアフガニスタンでSEALsが使っている写真があるそうです。
ほとんど同じ仕様の民間モデルもあり、こちらは「SR25」という名前です。セミオートオンリーなのは同じですが専用サプレッサーが付かない(付けられない)ことが最大の違いといえるでしょう。
そしてMk11の発展型(URXハンドガードやフルアンビ化など)の「M110 SASS」はM24の後継として米陸軍に採用。タンカラーでフラッシュハイダーのついた7.62mmARの写真を見たことある人も多いでしょう。
VFCのこのモデルはKACの正規ライセンス取得商品でもあり、リアルさを期待せずにはいられません。
海軍装備に合わせたい人やモデルガン代わりに欲しいという人まで、広く登場が待たれていた期待のモデル。さっそく各部をチェックしていきましょう!
まずはフルオプションの全景から。
サプレッサー込みだとM14やFN/FALとほぼ同じサイズ。さすがに長いですが、7.62mmのスナイパーライフルとしては劇的に軽いのが特徴です。スコープやマウントリングは付属しませんが、専用サプレッサーとバイポッド、ガンケース(1400mm)がセットになっています。
そして本体のみだとこの状態。
バレル長は20インチでM16A2などと変わりませんが、何となくフロントが短く見えて寸詰まり感がありますね。M16/M4に比べて大型で力強く見えるレシーバーも特徴的。
設計が1990年代と古く、当時はアンビコントロールの概念はなかったのでセフティもマガジンキャッチも片側しかありません。
全体的な再現度はナカナカのもので、仕上げもよく非常にいいデキだと思います。
では、気になる各部をアップで紹介していきます。
まずはフロントのバレル部。
7.62mmのヘビーバレルにしてはスリムなバレル。
先端にマズルデバイスがないのは「フラッシュハイダーがあると集弾性が下がる」「クイックデタッチサプレッサーの運用のため」という設計思想によるものでしょう。
マズルにはライフリングのモールド(5条)もありますが、先端まで伸びているインナーバレルの金色がよく目立ちます。
ガスブロック・フロントサイト
ガスブロックはライフルレングスで、左右にあるスリットは専用サプレッサーのロック用。
ハンドガードの上部レイルより低い位置にある「ガスブロックのレイルに取り付けるフリップアップフロントサイト」は専用品で、ワンタッチで起こすことができます。
ハンドガード
ハンドガードは12 5/16インチの長さで4面レイル+フリーフロートです。カタログ上の名称は「SR-25 RAS」。
バックアップフロントサイトを収めるための上部の切欠きが分かります。
ちなみにこのSR-25 RASは上下対称ではありません。
Mk11やSR25は5.56mm→7.62mm化によって太くなったバレルやボルトキャリア(後ろ半分は5.56mmと同じ太さ)に対してバッファーチューブは5.56mmのものと共用。バッファーチューブの位置に合わせるには下へ寄せる必要があり、これによって上下で非対称になっているわけです。
そのハンドガード内のアウターバレルはかなり細く、民間仕様のSR25が装備するライトウェイトバレルのように見えます。
ハンドガード先端とガスブロックの間に見えるガスチューブがこのモデルの特徴的な部分。
ガスチューブに横穴?と思いますが、ここがホップ調整のダイヤルになっています(横方向からレンチなどを差し込んで回転させる)。また、分解時にも回す必要がありますが、回転そのものはかなり固いので要注意です。
レシーバー
7.62mmならではの巨大なレシーバー、特に天地幅があるアッパーや前後だけでなく左右幅(厚み)のあるマガジン部なども注目です。
なお、このアッパー用(AR10用)の着脱式キャリングハンドルというものも存在しており、5.56mmのARに乗せるとフロント側はデルタリングを跨いでしまいます。
気になるマーキングは白いレーザー刻印。
「1」はシリアルナンバー。この製品は1丁1丁違うナンバーが入っています。ちなみにKM〜で始まるのはSR25のシリアルになります。
「2」は2000年代前半くらいまで使われていた旧型のロゴマーク。現在のものとはちょっと違います。
「3」はKAC(Knight's Armament Co.)ではなくナイツの民間販売部門であるKMC(Knight's Manufacturing Company)の刻印になっています。
つまり、刻印だけ見るとKACのMK11ではなくKMCのSR25ということに・・・。
ちなみに実銃はレーザーの白刻印ではなく深彫りの刻印といわれています。
セフティレバー
セミオートオンリーなのでSAFE・FIREの表記。そしてFIREポジションでストッパーがかかるようになっています。
ついでながらガスブロモデルなのでハンマーダウンの状態ではSAFEに入りません(コッキングしていないとセフティがかからない)。
理由は分かりませんが実銃がそうなので仕方ありません。
エジェクションポート側は極めてシンプル。
シルバーのボルトキャリアが目立ちますがこれはクロームメッキなので銀色で正解。
アッパーに見慣れたカートデフレクターとフォワードアシストノブはなく、ロワーはアンビコントロールじゃないのでマガジンキャッチくらいしかありません。
そして、こちら側の刻印は最上段にMK11 MOD0というミリタリーモデルにしかない文字が入っています。あぁ、左右の刻印の整合性が・・・。
住所表記は昔のベロビーチのものですが、年代的にはこれで正解です。
真上から見るとレシーバーには全く出っ張りがありません。
このシンプルさがMod11あるいはSR25の魅力といえます。
カートデフレクターはこの当時、上部レイルに取り付けるタイプがオプションでラインナップされていました。
基本はAR系なので前後の2本のピンを抜けば上下に分割できます。
まず目を引くのが赤い「アキュウェッジ」。ゴム製のパーツでアッパーとロワーのガタを抑えるための部品です。
ハンマーやシアなどは実銃に極めて近い形状でリアルですが、2ステージのマッチトリガーまでは再現されていません。とはいえ、この眺めはガスブロならではの満足感が得られますね。
この角度から見るとアッパーの形状がよく分かると思います。
シンプルな平面だけに余計にデカさが強調されているかも。7.62mmの巨大なバレルナットにも注目です。
リアサイトは600mタイプを装着。
この銃の適正距離からすると600mでも短く感じますが、ナイツのリアサイトにはこれ以上の距離に対応した製品がないので仕方ないのかなと思います。
ストック
Mk11 Mod0に装着されているのは一般的なA2ストックなのでアジャストはありません(後継のM110はバットプレートの調整機構とQDスリングホールを備えます)。
ベースとなったAR10はバッファーチューブがM16/M4と同じものを使うのでストックも同様になるわけです。
バッファーチューブ自体はカービンチューブではなく長いライフルチューブが入っていました。
マガジン
リップ部は樹脂ですが本体はダイキャスト製で重さは420g。装弾数は20発のリアルカウントです。
注入バルブは本体挿入時に隠れる上側にあり、ガス容量もかなり入ります。安定した動作はこの容量の大きいマガジンによるところも大きいのではないでしょうか。
ちなみに実物のマガジンはSCAR-Hと共用です。
サプレッサー
33cmもある長大なサイレンサーはアルミ製で重さ230g。
写真の位置までバレルが入り込むため、バレル先端より後方の部分はバックスペースになります。
ガスブロックへはワンタッチで装着。
「ゲートラッチコネクタ」と呼ばれる専用のマウントシステムを採用。これはクイックデタッチだけでなく焼き付きによる固着を防ぐ効果もあるそうです。
サプレッサーケースは途中分割が可能。
マズルより先の部分には減音用のスポンジが入っていました。
Mk11ならではのオプションといえるのがこのロングサプレッサーですね。
バイポッド
下面レイルに装着するハリスタイプのバイポッド。伸縮は5段階で重さは480g。
ただし、このレバーが・・・
左右スイング機能のロックレバーですが、Mk11もSR25もこのレバーがない(左右スイングができない)タイプのバイポッドが使われていました(ハリスのBRタイプ)。
VFCのラインナップにはこのレバー付きしかなかったのでしょう。どうしても気になる人はハリスの実物を探しましょう。
せっかくなので何かしらのスコープを乗せてみました。
手元にあったシュミット&ベンダーのZENITH LM(1.1〜4X24)+アメリカンディフェンスのオフセットマウントですが、実はこのタイプのショートスコープやオフセットマウントはMk11 Mod.0でもSR25でも時代的に合いません。
スコープはリューポルドのMark1あたりのクラシックなズームタイプで、これをごく普通のマウントリングで装着するのが当時のスタイルになります。
例えばこれ。
カタログに載っているミリタリーのMk11 Mod.0の画像を参考にどうぞ。ちなみにブラックのレザースリングを装着しています。
ただしMk11はSWATなど警察機関で使われているケースもあるため、その場合は現代的なスコープとの組み合わせもアリかもしれません。
ついでにカタログから民間用のSR25の画像も紹介しておきましょう。
SR25は数種類ありますが、その中で「SR25 Lightweight Match Rifle」が同じモデルになります。マガジンは10連タイプで20連はオプション、レシーバーの白刻印、ガスブロックには下面レイルとサプレッサー用のスリットがない、ハンドガード内のバレルが細い・・・などが特徴になります。
以上、VFCのガスブロMk11 Mod.0のレビューでした。
実射に関しては省略しましたが、普通に真っすぐ飛んで当たります。何より巨大なボルトキャリアがビシビシと小気味よく動作する点は大したもの。このシャープな撃ち味は「いかにも7.62mmのAR!」と思わずにいられません。
とはいえ、温度変化に弱いガスブロでなおかつリアルカウントの20発・・・サバゲで使うには大きな愛情と資金が必要と思われます。
最後にこのモデルは記事中で指摘したように、ミリタリーの「Mk11 Mod.0」と民間の「SR25」両方の特徴を同時に再現しており、そういった意味からは中途半端といえるかもしれません。
しかし、根本的な再現度は非常に高く動作もシャープで安定、そしてKACの正規ライセンス品。何より初のガスブロ7.62mmARとして、待ち望んでいた人も多いはず。
この価格でも買わざるを得ないという人、けっこういるのではないでしょうか。いろんな意味でマニア泣かせのガスブロARですね。
なお、内部の詳細と分解方法などは、また改めて紹介する予定です。ご期待下さい。
Photo & Text: 乾宗一郎
Mk◯◯の名前で分かる通り米海軍(および海兵隊)に「スナイパーウエポンシステム」として採用されたモデルです。
正式にお目見えしたのは(おそらく)2004年版のナイツのカタログで、ここに新製品として掲載されています。
写真はサプレッサー用スリットのあるガスブロックを備えているので、海軍が使用しているMk11 Mod.0がまさにこれ。ただ、実際には2001年前後のアフガニスタンでSEALsが使っている写真があるそうです。
ほとんど同じ仕様の民間モデルもあり、こちらは「SR25」という名前です。セミオートオンリーなのは同じですが専用サプレッサーが付かない(付けられない)ことが最大の違いといえるでしょう。
そしてMk11の発展型(URXハンドガードやフルアンビ化など)の「M110 SASS」はM24の後継として米陸軍に採用。タンカラーでフラッシュハイダーのついた7.62mmARの写真を見たことある人も多いでしょう。
VFCのこのモデルはKACの正規ライセンス取得商品でもあり、リアルさを期待せずにはいられません。
海軍装備に合わせたい人やモデルガン代わりに欲しいという人まで、広く登場が待たれていた期待のモデル。さっそく各部をチェックしていきましょう!
まずはフルオプションの全景から。
サプレッサー込みだとM14やFN/FALとほぼ同じサイズ。さすがに長いですが、7.62mmのスナイパーライフルとしては劇的に軽いのが特徴です。スコープやマウントリングは付属しませんが、専用サプレッサーとバイポッド、ガンケース(1400mm)がセットになっています。
そして本体のみだとこの状態。
バレル長は20インチでM16A2などと変わりませんが、何となくフロントが短く見えて寸詰まり感がありますね。M16/M4に比べて大型で力強く見えるレシーバーも特徴的。
設計が1990年代と古く、当時はアンビコントロールの概念はなかったのでセフティもマガジンキャッチも片側しかありません。
全体的な再現度はナカナカのもので、仕上げもよく非常にいいデキだと思います。
VFC KAC Mk11 Mod.0のスペック
・全長:995mm(本体のみ)、1155mm(サプレッサー込み)
・重さ:3280g(本体のみ)、4410g(フルオプション)
・インナーバレル長:500mm(内径6.07mm)
・初速:72m/s(負圧式+NPAS)
・装弾数:20発
・販売価格:106,400円(税抜き)
では、気になる各部をアップで紹介していきます。
まずはフロントのバレル部。
7.62mmのヘビーバレルにしてはスリムなバレル。
先端にマズルデバイスがないのは「フラッシュハイダーがあると集弾性が下がる」「クイックデタッチサプレッサーの運用のため」という設計思想によるものでしょう。
マズルにはライフリングのモールド(5条)もありますが、先端まで伸びているインナーバレルの金色がよく目立ちます。
ガスブロック・フロントサイト
ガスブロックはライフルレングスで、左右にあるスリットは専用サプレッサーのロック用。
ハンドガードの上部レイルより低い位置にある「ガスブロックのレイルに取り付けるフリップアップフロントサイト」は専用品で、ワンタッチで起こすことができます。
ハンドガード
ハンドガードは12 5/16インチの長さで4面レイル+フリーフロートです。カタログ上の名称は「SR-25 RAS」。
バックアップフロントサイトを収めるための上部の切欠きが分かります。
ちなみにこのSR-25 RASは上下対称ではありません。
Mk11やSR25は5.56mm→7.62mm化によって太くなったバレルやボルトキャリア(後ろ半分は5.56mmと同じ太さ)に対してバッファーチューブは5.56mmのものと共用。バッファーチューブの位置に合わせるには下へ寄せる必要があり、これによって上下で非対称になっているわけです。
そのハンドガード内のアウターバレルはかなり細く、民間仕様のSR25が装備するライトウェイトバレルのように見えます。
ハンドガード先端とガスブロックの間に見えるガスチューブがこのモデルの特徴的な部分。
ガスチューブに横穴?と思いますが、ここがホップ調整のダイヤルになっています(横方向からレンチなどを差し込んで回転させる)。また、分解時にも回す必要がありますが、回転そのものはかなり固いので要注意です。
レシーバー
7.62mmならではの巨大なレシーバー、特に天地幅があるアッパーや前後だけでなく左右幅(厚み)のあるマガジン部なども注目です。
なお、このアッパー用(AR10用)の着脱式キャリングハンドルというものも存在しており、5.56mmのARに乗せるとフロント側はデルタリングを跨いでしまいます。
気になるマーキングは白いレーザー刻印。
「1」はシリアルナンバー。この製品は1丁1丁違うナンバーが入っています。ちなみにKM〜で始まるのはSR25のシリアルになります。
「2」は2000年代前半くらいまで使われていた旧型のロゴマーク。現在のものとはちょっと違います。
「3」はKAC(Knight's Armament Co.)ではなくナイツの民間販売部門であるKMC(Knight's Manufacturing Company)の刻印になっています。
つまり、刻印だけ見るとKACのMK11ではなくKMCのSR25ということに・・・。
ちなみに実銃はレーザーの白刻印ではなく深彫りの刻印といわれています。
セフティレバー
セミオートオンリーなのでSAFE・FIREの表記。そしてFIREポジションでストッパーがかかるようになっています。
ついでながらガスブロモデルなのでハンマーダウンの状態ではSAFEに入りません(コッキングしていないとセフティがかからない)。
理由は分かりませんが実銃がそうなので仕方ありません。
エジェクションポート側は極めてシンプル。
シルバーのボルトキャリアが目立ちますがこれはクロームメッキなので銀色で正解。
アッパーに見慣れたカートデフレクターとフォワードアシストノブはなく、ロワーはアンビコントロールじゃないのでマガジンキャッチくらいしかありません。
そして、こちら側の刻印は最上段にMK11 MOD0というミリタリーモデルにしかない文字が入っています。あぁ、左右の刻印の整合性が・・・。
住所表記は昔のベロビーチのものですが、年代的にはこれで正解です。
真上から見るとレシーバーには全く出っ張りがありません。
このシンプルさがMod11あるいはSR25の魅力といえます。
カートデフレクターはこの当時、上部レイルに取り付けるタイプがオプションでラインナップされていました。
基本はAR系なので前後の2本のピンを抜けば上下に分割できます。
まず目を引くのが赤い「アキュウェッジ」。ゴム製のパーツでアッパーとロワーのガタを抑えるための部品です。
ハンマーやシアなどは実銃に極めて近い形状でリアルですが、2ステージのマッチトリガーまでは再現されていません。とはいえ、この眺めはガスブロならではの満足感が得られますね。
この角度から見るとアッパーの形状がよく分かると思います。
シンプルな平面だけに余計にデカさが強調されているかも。7.62mmの巨大なバレルナットにも注目です。
リアサイトは600mタイプを装着。
この銃の適正距離からすると600mでも短く感じますが、ナイツのリアサイトにはこれ以上の距離に対応した製品がないので仕方ないのかなと思います。
ストック
Mk11 Mod0に装着されているのは一般的なA2ストックなのでアジャストはありません(後継のM110はバットプレートの調整機構とQDスリングホールを備えます)。
ベースとなったAR10はバッファーチューブがM16/M4と同じものを使うのでストックも同様になるわけです。
バッファーチューブ自体はカービンチューブではなく長いライフルチューブが入っていました。
マガジン
リップ部は樹脂ですが本体はダイキャスト製で重さは420g。装弾数は20発のリアルカウントです。
注入バルブは本体挿入時に隠れる上側にあり、ガス容量もかなり入ります。安定した動作はこの容量の大きいマガジンによるところも大きいのではないでしょうか。
ちなみに実物のマガジンはSCAR-Hと共用です。
サプレッサー
33cmもある長大なサイレンサーはアルミ製で重さ230g。
写真の位置までバレルが入り込むため、バレル先端より後方の部分はバックスペースになります。
ガスブロックへはワンタッチで装着。
「ゲートラッチコネクタ」と呼ばれる専用のマウントシステムを採用。これはクイックデタッチだけでなく焼き付きによる固着を防ぐ効果もあるそうです。
サプレッサーケースは途中分割が可能。
マズルより先の部分には減音用のスポンジが入っていました。
Mk11ならではのオプションといえるのがこのロングサプレッサーですね。
バイポッド
下面レイルに装着するハリスタイプのバイポッド。伸縮は5段階で重さは480g。
ただし、このレバーが・・・
左右スイング機能のロックレバーですが、Mk11もSR25もこのレバーがない(左右スイングができない)タイプのバイポッドが使われていました(ハリスのBRタイプ)。
VFCのラインナップにはこのレバー付きしかなかったのでしょう。どうしても気になる人はハリスの実物を探しましょう。
せっかくなので何かしらのスコープを乗せてみました。
手元にあったシュミット&ベンダーのZENITH LM(1.1〜4X24)+アメリカンディフェンスのオフセットマウントですが、実はこのタイプのショートスコープやオフセットマウントはMk11 Mod.0でもSR25でも時代的に合いません。
スコープはリューポルドのMark1あたりのクラシックなズームタイプで、これをごく普通のマウントリングで装着するのが当時のスタイルになります。
例えばこれ。
カタログに載っているミリタリーのMk11 Mod.0の画像を参考にどうぞ。ちなみにブラックのレザースリングを装着しています。
ただしMk11はSWATなど警察機関で使われているケースもあるため、その場合は現代的なスコープとの組み合わせもアリかもしれません。
ついでにカタログから民間用のSR25の画像も紹介しておきましょう。
SR25は数種類ありますが、その中で「SR25 Lightweight Match Rifle」が同じモデルになります。マガジンは10連タイプで20連はオプション、レシーバーの白刻印、ガスブロックには下面レイルとサプレッサー用のスリットがない、ハンドガード内のバレルが細い・・・などが特徴になります。
以上、VFCのガスブロMk11 Mod.0のレビューでした。
実射に関しては省略しましたが、普通に真っすぐ飛んで当たります。何より巨大なボルトキャリアがビシビシと小気味よく動作する点は大したもの。このシャープな撃ち味は「いかにも7.62mmのAR!」と思わずにいられません。
とはいえ、温度変化に弱いガスブロでなおかつリアルカウントの20発・・・サバゲで使うには大きな愛情と資金が必要と思われます。
最後にこのモデルは記事中で指摘したように、ミリタリーの「Mk11 Mod.0」と民間の「SR25」両方の特徴を同時に再現しており、そういった意味からは中途半端といえるかもしれません。
しかし、根本的な再現度は非常に高く動作もシャープで安定、そしてKACの正規ライセンス品。何より初のガスブロ7.62mmARとして、待ち望んでいた人も多いはず。
この価格でも買わざるを得ないという人、けっこういるのではないでしょうか。いろんな意味でマニア泣かせのガスブロARですね。
なお、内部の詳細と分解方法などは、また改めて紹介する予定です。ご期待下さい。
取材協力:エアボーン
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-23-6
グローイン新宿御苑1階
TEL:03-5363-2354
営業時間:13:00~22:00
定休日:毎週火曜日、第三木曜日
Photo & Text: 乾宗一郎
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