自宅に M72 対戦車ロケット弾を隠し持っていた米陸軍の退役軍人に判決
先ごろ、6年前にM72対戦車ロケット弾を隠し持っていた罪での退役軍人が起訴され、執行猶予の判決が出た。事件の詳細は以下のとおりである。
Photo By: Cpl. John McCall
Image is for illustration purposes only.
6年ほどまえ、アフガニスタンに駐留していた米第2歩兵師団は、カナダ軍と共同作戦を行った。当時、第2ストライカー大隊に所属していたカイル・ネスポリー軍曹は、その作戦の際、カナダ軍兵士からM72対戦車ロケット弾(アメリカ軍ではほぼ退役しているが、カナダ軍では広く使用されている)を「貸与」された。
作戦の内容や部隊配置などから、同盟軍同士で弾薬の貸し借り、譲渡、分与などは頻繁にあるが、対戦車ロケット弾が貸与されることは珍しい。もっとも、戦場の状況からやむをえなかったかもしれない。
結局、カナダ軍から貸与されたM72対戦車ロケット弾は使用されることなく作戦が終了した。当然、ネスポリー軍曹はカナダ軍に返却するべきだったが、その機会を失い、そのまま保管し、その後、帰国した。アメリカ軍でもあっても、武器・弾薬の員数管理は厳密に行われているはずで、まして小銃弾ではなく、対戦車ロケット弾ならばなおさらのはずだが、ネスポリーは、隠し持っていたのかもしれない。
それからしばらくして、ネスポリーはかつての同僚とパーティを開いたのだが、その際、自宅にM72があることを同僚に話した。友人たちはネスポリーの自宅へ行き、冗談半分で写真撮影をして楽しんだ。
事件が発覚したのは、ネスポリーのガールフレンドが、彼が外出したときにM72を発見し、地元の警察に届け出たことによる。直ちにネスポリーは逮捕された。(銃器の所有免許を持っていたとしても、対戦車弾まで保有はできない) その後、写真に写っていた同僚たちも、逮捕・起訴された。ネスポリーらの弁護士は、彼らは戦場でのストレス後遺症から判断力が低下していたと主張した。
最終的に、発射されず事故が起きなかったこと、元軍人で最低限の安全対策がとられていたことなどが考慮され、執行猶予付きの処分となった。
Text: 友清仁 - FM201611
作戦の内容や部隊配置などから、同盟軍同士で弾薬の貸し借り、譲渡、分与などは頻繁にあるが、対戦車ロケット弾が貸与されることは珍しい。もっとも、戦場の状況からやむをえなかったかもしれない。
結局、カナダ軍から貸与されたM72対戦車ロケット弾は使用されることなく作戦が終了した。当然、ネスポリー軍曹はカナダ軍に返却するべきだったが、その機会を失い、そのまま保管し、その後、帰国した。アメリカ軍でもあっても、武器・弾薬の員数管理は厳密に行われているはずで、まして小銃弾ではなく、対戦車ロケット弾ならばなおさらのはずだが、ネスポリーは、隠し持っていたのかもしれない。
それからしばらくして、ネスポリーはかつての同僚とパーティを開いたのだが、その際、自宅にM72があることを同僚に話した。友人たちはネスポリーの自宅へ行き、冗談半分で写真撮影をして楽しんだ。
事件が発覚したのは、ネスポリーのガールフレンドが、彼が外出したときにM72を発見し、地元の警察に届け出たことによる。直ちにネスポリーは逮捕された。(銃器の所有免許を持っていたとしても、対戦車弾まで保有はできない) その後、写真に写っていた同僚たちも、逮捕・起訴された。ネスポリーらの弁護士は、彼らは戦場でのストレス後遺症から判断力が低下していたと主張した。
最終的に、発射されず事故が起きなかったこと、元軍人で最低限の安全対策がとられていたことなどが考慮され、執行猶予付きの処分となった。
Text: 友清仁 - FM201611
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