Photo: ZAK Products “Back the Blue” No. 83 Toyota

11月6日、テキサス・モーター・スピードウェイで行われたレースにパトカーが疾走した。観客の多くが驚いたが、もちろん、本物のパトカーではない。

レース前日、ダラスに本社がある自動車パーツメーカーのZAKプロダクツ社は、自社がスポンサーを務めるチームのレースカーを公開した。その車は、ダラス警察のパトカーのカラーを忠実に再現したもので、フードには1881年のダラス警察創設以来の殉職者の氏名、そして後部には、7月7日の悲劇（The July 7 tragedy）で犠牲となったダラス・エリア即応警察（Dallas Area Rapid Transit）の5名の警察官のバッジと氏名も描かれている。

ZAK Products® Unveils “Back the Blue” No. 83 Toyota that will Race at Texas Motor Speedway...

「当社はダラスに本社があり、7月7日の悲劇に非常に衝撃を受けました。殉職した警察官、そして遺族のために何かできないかと考え、ダラス警察署長ピュー氏と話し合い、今回、このようなレースカーでの参戦となりました」。ZAKプロダクト社長ビック・キラーは語る。

このパトカーに、多くの観客の視線が釘付けとなった。レースを主催するNASCAR（National Association for Stock Car Auto Racing, 全米自動車競争協会）は、観客に写真撮影とチャリティーくじの販売を行い、殉職した警察官と遺族へ経済的援助をした。

このパトカーのドライバーは、マット・ディベネデット（Matt DiBenedetto）だ。彼のレーシングスーツもダラス警察の制服を模したものになっていた。

彼は、「私は、ダラスの治安と安全のため、危険な任務に携わるすべての警察官を尊敬します。そして、このような車とチャリティーに参加できたことを誇りに思います」。と述べた。

Text: 友清仁 - FM201611