米軍特殊部隊用の軽量ポリエチレン製ボディーアーマーシステムが戦闘評価試験中

ミリタリーブログサポートチーム

2019年11月14日 11:45


Photo from United States Special Operations Command (USSOCOM).
This photo is for illustrative purposes only.
米軍特殊部隊用の新型ボディーアーマーシステムの開発が進み、フィールド試験に移されていることが分かった。特殊作戦司令部(SOCOM)の広報官に取材をおこなった軍事メディア「タスク・アンド・パーパス」が伝えている。

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「四肢防護のための軽量ポリエチレン製アーマー(Lightweight Polyethylene (PE) Armor for Extremity Protection)」と呼ばれるこの新型ボディーアーマーシステムは、SOCOMが主導するも、今年2月に開発の目途が立たず終焉を迎えた「アイアンマン計画」こと『TALOS』から脈々と受け継がれている。
戦闘評価に供されているこの製品は、現行のボディーアーマーより25%、およそ3ポンド(約1,360グラム)の軽量化を図りながらも、肉体表面のカバー率を19%から44%に拡大できるとされる。

(終焉を迎えた)TALOS計画は元々、タリバンやアルカイダなどテロ集団「狩り」をおこなう襲撃者(door kickers)の保護に焦点を当てて開発されてきた。一方の後継コンセプトである「HEO(Hyper-Enabled Operator)」については、その対象が「中国・ロシアの潜在的脅威への対抗」と掲げられている。

これまでのTALOS計画の中で最大の成功は、「新たな軽量ボディーアーマーの開発にチームが携われてきたこと」とされており、狙撃されるよりもRPGの着弾や手榴弾による破片の方が、より広範囲に殺傷性を持つため、重量を増すことなく全身のカバー率が倍以上に上がることは大きな進化と考えられている。

また、着用者の心拍音や体温を監視し、体温の上昇時には冷却をおこなうシャツの開発もおこなわれており、陸軍特殊部隊「グリーンベレー」第5特殊部隊グループが購入申請を、また海軍特殊部隊SEALからもその取得に関心が示されている。

Source: SOCOM is field testing lightweight body armor originally developed for its 'Iron Man' suit
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