知られざる米特殊部隊の予備役

ミリタリーブログサポートチーム

2020年02月17日 11:19


Photo by Sgt. Shawn Keeton

予備役兵というと、どんなイメージを持つだろうか。多くの人が民間の会社に勤め、年に数日の射撃や行軍訓練を行う人々を想像するだろう。しかし育成に多大な資金が投じられている特殊部隊の予備役は全く違う。今回は、特殊部隊の予備役を解説する。

陸軍の特殊作戦群(いわゆるグリーンベレー)には、第19および第20特殊作戦群があり、この2つの部隊は、陸軍国家警備特殊作戦部隊(Army National Guard's special operations units)と呼ばれている。

グリーンベレーの現役を引退した兵士は、必ず警備特殊作戦部隊に所属することが求められ、現役兵士に準じる形で、特殊部隊資格課程(Special Forces Qualifications Course …SFQC)に進まなければならない。この特殊部隊資格課程にいるときは「現役兵士」として扱われ、アメリカ国内であるが、現役特殊部隊と同じローテーションで配備される。

海軍は、シールチーム17および18を予備役部隊として、海軍特殊作戦部隊(NSW)と爆発物処理班(EOD)、さらにSWCC(Special Warfare Combatant Craft …特殊舟艇チーム)のどちらも構成している。

海軍の特殊部隊予備役兵は1年に数度の基礎訓練を受けるだけであるが、招集がかかると1年間の任務が義務付けられる。1年間のうち、3-6か月が現役時代を思い出し、最新技術を学ぶ訓練期間であり、のこりの9-6か月が配備期間(世界中に配備される)となる。

空軍の特殊作戦軍であるパラレスキュー(PJ)やコンバットコントローラ(CCT) 、特殊偵察(SR)、戦術航空管制部隊(TACP)は、空軍の州兵/予備役部隊に所属することになる。パラレスキューの予備役は、ほぼ強制的に地方の病院や緊急救命に配属され、日々、人命救助に従事する。

一方でCCTやTACPは、訓練を修了すると、各地の空軍州兵および空軍予備役部隊に配属され、地方空港の管制官などの職に就く。

CCTについては、空軍州兵の下に2個特殊戦術分隊があり、国内の作戦から海外での空爆任務まで、多くの権限を与えられている。

特筆するべきことは、これら特殊部隊予備役部隊は、民間にも門戸が開かれており、身体的な基準を合格して、「厳しい」訓練に耐えることができれば、「予備役兵」の資格で特殊部隊の一員となることができる点である。

「通常の生活」を送りつつ、特殊部隊にも所属したいと思う者は、予備役か州兵の特殊部隊に志願する手もある。

Source: SO, YOU WANT TO BE A PART-TIME NAVY SEAL? THERE’S A WAY

Text: 友清仁 - FM202002
関連記事