米海軍が潜水艦発射型の新型核巡航ミサイルの配備を検討
A submarine-launched missile (For Illustration Purpose Only)
米海軍が新型核巡航ミサイルの開発を進めている。これはSLCM-Nとして知られており、潜水艦から発射が可能である。
現在配備されているBGM-109トマホーク巡航ミサイルは地上目標に対する攻撃において海軍兵器の主力である。長射程かつ高精度なため、この巡航ミサイルは強固に防護された目標に対して有効であり、味方航空機に対する地上からの攻撃を抑制するために斉射されることもある。時折、航空機に代わる低コスト・低リスクの攻撃としても使用される(例:2018年シリアにて)。
一方で、核巡航ミサイルは比較的小型になり、潜水艦発射型のトライデント弾道ミサイルと比較されている。
水上艦と潜水艦はどちらも巡航ミサイルを搭載しているが、どちらに核巡航ミサイルを搭載するかは確定していなかった。しかし、ヴァージニア級潜水艦の軍備拡張および改修が決定したことで、追加の巡航ミサイルの配備も決まった。具体的には、発射管が12門から28門に増加した。
Vertical-launch missile tubes (For Illustration Purpose Only)
従来の巡航ミサイルは弾頭の大きさの影響で射程が800~1500マイル(およそ1280~2400km)となっていた。核弾頭の巡航ミサイルは、詳細は決定していないものの、従来のものより軽量かつ長射程となる見込みである。
ヴァージニア級潜水艦に核巡航ミサイルを搭載すれば、当艦の戦略的な作戦遂行能力は早く簡易に強化される。現在、核武装した潜水艦はオハイオ級潜水艦のみであり、発射管は14門である。発射管が28門に増加したヴァージニア級潜水艦は、その2倍の火力投射が可能となる。
しかしながら、この配備には下記のリスクが存在する。
・核武装を従来の装備に戻す際のトラブル
・予算の圧迫
・核戦争のリスク増加
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