米陸軍とコングスバーグ社がジャベリンミサイル搭載型ロボット軽戦車を試験

ミリタリーブログサポートチーム

2021年06月27日 14:57


Kongsberg M153 CROWS II (For Illustration Purpose Only)

 米陸軍とコングスバーグ社(ノルウェー)が米国アラバマ州の米陸軍レッドストーンテストセンターにて、ジャベリンミサイル搭載型ロボット軽戦車のミサイル発射試験を行った。

 このロボット軽戦車は汎用遠隔操作型ジャベリンミサイル発射装置(CROWS-J: Common Remotely Operated Weapon Station – Javelin)と呼ばれ、掲載写真はM153 CROWS Ⅱである。武装として、50口径のM2機関銃と40mm MK19 Mod3 オート・グレネードランチャーを搭載している。

 試験では3種類の当兵器がジャベリンミサイルを発射し、それぞれ目標に命中させた。ミサイルの発射は全自動制御で行われ、米陸軍にとっては今回がCROWSシステムを使用した最初の公式試験となる。

 なお、当試験の一部が動画として公開されている。 → 動画ページリンク(YouTube)

 コングスバーグ社は当兵器の他にも軽量の機動戦闘車などからのミサイル発射も試験し、軽装甲車両が本来もつ柔軟性を生かした開発を進めていく方針である。機動性と火力を両立し、人的被害を無視できる無人軽戦車および無人機動戦闘車は、様々な脅威や作戦に対応可能な兵器として期待されている。

 本記事で紹介されたCROWS-Jについて、コングスバーグ社は14年以上携わり、現場の部隊に対して新しいシステムを提供し続けてきた。ノルウェーに本社を置くコングスバーグ社は今や26ヵ国に対して軍用無人車両を提供しており、今後も様々な用途の車両を開発していく方針である。
松井の所見:
 ジャベリンミサイルはイギリスで開発された近距離地対空ミサイルと米国で開発された歩兵携行式多目的ミサイルの2種類がある。日本では後者が一般的である。自衛隊の01式軽対戦車誘導弾を連想する方も多いのではないだろうか。無人車両の開発によって歩兵携行火器が軽装甲車両に搭載され、人的リスクのない火力投射が可能となっている。では、今後歩兵が携行する装備品はどのように変化していくのだろうか。携行型電子機器が充実することで、通信だけでなく、歩兵による電子・サイバー戦能力が今後高まっていく可能性も考えられる。

Source: US Army has tested Kongsberg M153 CROWS II RWS on Robotic Combat Vehicle Light - Army Recognition


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Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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