【DEFEA2021】イスラエル企業が最新世代のスパイクミサイルを展示

ミリタリーブログサポートチーム

2021年07月17日 16:18


The latest generation of Spike missiles (For Illustration Purpose Only)

 ギリシャで行われた展示会DEFEA2021(Defence Exhibition 2021)にて、ラファエル社(イスラエル)は最新世代のスパイクミサイルの超長射程型(ER2: Extra-long range 2)および長射程型(LR2): Long Range 2)を公開した。

 スパイクミサイルはイスラエル製の「撃ちっ放し能力(発射後に人がミサイルを誘導しなくてよい)」を備えた対戦車誘導ミサイルであり、ラファエル社が設計・開発を行った。兵士が携行できる他、車両やヘリコプターにも搭載できる。

 今回登場したER2型は、第5世代の多目的超長射程ミサイルであり、電子光学誘導を用いたシステムなど、複雑な現代戦に対応できる設備を搭載している。

 重量に対する射程距離が改善したため、34 kgの重量で10km ~ 16 kmほど自律飛行することができ、最大射程が従来のものと比較して2倍となった。また、照準システムが改良されたことで、陸海空のどの領域の目標に対してもより精確な攻撃が可能となった。また、目標が障害物に隠れたとしても、追跡を継続できるようになった。

 一方で、LR2型は、重量が12.7 kg、最大射程が地上発射で5.5 km、空中発射で10 kmとなっており、こちらも重量に対する射程が改善している。ラジオ波を用いたデータリンクが利用でき、新型の追跡装置はAIを用いた目標の自動認識・航路の最適化が可能となっている。

 ラファエル社はイスラエルの国有企業として国防省と協力し、各種兵器の開発を行っている。その技術は、今回のような軍事展覧会にて見ることができる。
松井の所見:
 スパイクミサイルは米国を含む多くの国で採用されている。自衛隊における類似の製品としては、川崎重工業株式会社が製作した01式軽対戦車誘導弾がある。本記事で紹介された最新型もまた、現代戦を意識した射程距離の延長やAI技術の導入がなされている。「より遠くから・より簡単に・より正確に」を突き詰めた場合、最終的にどのような戦争形態となるのだろうか。人が使用できる国土が狭い日本において、このような兵器は厄介である。

出展: アーミー・レコグニション「DEFEA 2021: Rafael exhibit its latest generation of Spike missiles ER2 and LR2」


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Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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