米陸軍がPAC-3ミサイルによる模擬巡航ミサイルの撃墜に成功
The PAC-3 family of missiles (For Illustration Purpose Only)
ニューメキシコ州(米)で行われたミサイル試験で、米国ロッキード・マーティン社製のPAC-3(Patriot Advanced Capability-3)システムのミサイルが模擬巡航ミサイルの撃墜に成功した。
試験ではPAC-3システムがF-35戦闘機と連携し、目標のミサイルを探知・追跡・撃墜までの一連の迎撃を行った。当試験では、F-35はPAC-3システムおよびミサイルの遠隔センサーの役割を果たした。
ロッキード・マーティン社によれば、F-35が搭載する情報システムの支援によってPAC-3システムの追跡能力は向上し、PAC-3ミサイルと航空戦力を統合した米国のミサイル防衛能力はさらに向上したとのことである。
戦闘実績のある衝突破壊技術(Hit-to-Kill Technology)の特徴として、PAC-3ミサイルは戦術弾道ミサイル・巡航ミサイル・航空機を含む飛翔体に対する防御に有効である。幾度の性能向上を施された現行のPAC-3システムおよびミサイルは、コスト面が改善され、新型のロケットモーターを搭載することにより、有効射程範囲が拡大した。
PAC-3計画の責任者の一人であるブレンダ・デイビットソンは、「今回の試験によって、地対空ミサイルと航空戦力の連携が米軍の全領域統合作戦(Joint All Domain Operations:空軍、陸軍、海兵隊、海軍および宇宙軍の全てが参加する作戦)に多大な影響を与えることが分かった。世界最先端の戦闘機と実績ある衝突破壊技術が共に戦うことで、その防衛能力は飛躍的に向上する。」と述べている。
今回の試験によって、F-35の情報・監視・偵察機能から得られる目標の追跡データが防空システムの状況認識能力を向上させ、PAC-3システムと航空機の連携によってPAC-3ミサイルが目標を撃墜する可能性がさらに高くなることが明らかとなった。高度な技術が使用される現代の作戦では、陸海空および宇宙領域の隔たりがなくなりつつある。
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