米空軍、宇宙フェンスによる防衛と監視の機能を強化

ミリタリーブログサポートチーム

2011年01月25日 16:53

米軍の宇宙防衛に関する動きが本格化してきている。
1961年より50年に渡って運用されてきたVHFによる宇宙監視システムが取り替えられる事となるようだ。米空軍では、高度3,000Km内での監視を行い、地球へ向けて飛来する15万個以上にものぼる物体全ての監視と追跡を行い、地球の安全を行うシステムの構築を望んでいた。

今回のプロジェクトにおいては、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、レイセオンの3社間で、3,000万ドルの競合が行われたとしている。各社からのレポートで、宇宙フェンスは米空軍によって強化された宇宙監視機能を提供するとし、宇宙フェンス計画におけるSDR(System Design Review:システムデザインレビュー)を昨年末に完了したとしている。

米空軍では1億700万ドルでの発注を予定し、今月中にもその詳細についてアナウンスを出す予定をしているとし、発注先の2社においては近い内に提案内容でのコスト見直しや、技術面でのリスクの軽減などについて最終調整を行う見通しとなっている。

この壮大な計画に参画している1社であるロッキード・マーチンでは、この「宇宙フェンス」計画において、今までに培った技術を結集させ、米空軍の要求に応えていくとしている。
また、同じくノースロップ・グラマンでは、新たな宇宙フェンスは、衛星への衝突や損傷などの回避を行いつつも、検出の精度と速度が更に向上するだろうとしている。なお、同社によるとオーストラリアが最初の宇宙フェンスの候補位置として挙がっているとし、その後には他国で2箇所の候補地を検討しているとしている。

米軍で宇宙防衛を専門としている空軍のチームによると、現在、宇宙防衛についての認識を高めることは、国家の安全保障上でも優先課題となりつつあるとし、新システムでの初期運用を2015年での実施を予定するとしている。


Space Command Commercial

参考記事:
http://www.lockheedmartin.com/products/SpaceFence/
http://www.lockheedmartin.com/news/press_releases/2010/111810_LM_Space_Fence.html
http://www.c4isrjournal.com/story.php?F=5225516
http://investor.northropgrumman.com/phoenix.zhtml?c=112386&p=irol-newsArticle&ID=1306829&highlight=
http://investor.raytheon.com/phoenix.zhtml?c=84193&p=irol-newsArticle&ID=1490341&highlight=

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