SEAL名誉勲章隊員の名を冠したDDGが進水式を実施

ミリタリーブログサポートチーム

2011年05月09日 13:00


DoD(米国防総省)は4日付けのリリースで、米海軍が Arleigh Burke 級イージス駆逐艦の 62 番艦・USS Michael Murphy (DDG-112) の進水式を5月7日に、GDBIW (General Dynamics Bath Iron Works, Bath, ME) で実施したことを発表した。

艦名は、2005年6月28日 にアフガニスタンで実施した "Operation Red Wing" における戦闘で議会名誉勲章を受賞した、SEAL (Sea, Air, Land) チーム隊員の Michael P. Murphy 大尉にちなんだもの。

米海軍の特殊部隊として名高い SEALs は日常から切り離された、常に危険と背中合わせの中で任務をこなす戦術部隊だ。 Michael P. Murphy 大尉(May 7, 1976 - June 28, 2005)はSEALの Delivery Vehicle(輸送車) Team 1に所属し、3人の下士官(Danny Dietz、 Matthew Axelson、Marcus Luttrell)を率い、テロリスト Ahmad Shah を追って、2005年6月28日、アフガニスタンとパキスタンの間のヒンドゥークシュの孤独な山脈に入った。 Murphy 大尉が率いるチームが、任務の為に険しい山道を密かに進む中で3人のヤギ飼いに出くわした。その数時間後に、大規模な敵勢力が山を越えてチームと激しい戦闘を繰り広げることとなった。

Murphy 大尉はチームが支援なしでこの戦闘が長続きしないことに気付き、チームが居るその場の岩から離れ、バグラム空軍基地との無線交信をおこなったことが記録されている。交信を終えてチームに戻った Murphy 大尉は、負傷したチームのメンバーと共に戦い続けた。

Murphy 大尉の要請に応えて駆けつけたチヌーク・ヘリコプターは、敵勢力に撃ち落され、16名の兵士が命を落とした。その後彼は、交戦した現場から7マイル(=約11.2Km)離れたアフガニスタンの村へ逃げ込み、身を潜めたとされている。村人の一人が、Murphy 大尉の存在を米海兵隊の前哨基地に報告し、その後7月2日に米軍の部隊が救助活動を開始した。

Operation Red Wing での生き残りは、後に Navy Cross(海軍十字章)を授与され、下士官の Dietz と Axelson は、その死後に英雄的行動が評価され、共にNavy Cross(海軍十字章)が授与されている。なお、Murphy 大尉はその献身的な行為が評価され、その死後、2007年10月22日、ブッシュ米大統領より「Medal of Honor=名誉勲章」が授与された。なお、この名誉勲章は米国が海外で展開した対テロ作戦で初、また「9.11」に始まった「Operation Enduring Freedom=限りなき自由作戦」で初めての授与となる。



今回の進水式では、米海軍作戦総長 Gary Roughead 大将がスピーチを行い、Murphy 大尉の御母堂・Maureen Murphy 氏がスポンサーを務めるとしている。


DoD 2011/5/4

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