第二次大戦時の米輸送艦、フィリピンと中国の領有権争いの最前線に立つ

ミリタリーブログサポートチーム

2014年08月18日 14:26

南シナ海で対峙を続けるフィリピンと中国だが、その最前線には、第二次世界大戦時に米海軍が使用した揚陸輸送艦が立っている。ここに CNN のジャーナリストが取材に入り、豊富な写真と映像で、その様子を伝えている

この船はもともと LST-821 と呼ばれた船で、1944 年 10 月 27 日に進水、第二次世界大戦時の太平洋に投入され、沖縄戦などで戦った。その後 USS ハーネット・カウンティに改名され、ヴェトナム戦争にも投入された。さらにその後は南ヴェトナム共和国へ引き渡され、RVNS My Tho (HQ-800) として活躍。そして 1976 年にはフィリピンへと引き渡された。

そして 1999 年に BRP シエラ・マドレに改名、南シナ海上のセカンド・トーマス礁にわざと座礁させられ、フィリピン海兵隊を配備し、周囲一帯を実効支配している。

セカンド・トーマス礁は、フィリピン最西端のパラワン州から、さらに 194 Km 西にある。現在、フィリピンと中国がそれぞれ領有権を主張している。

フィリピン海兵隊は 3 ヶ月の交代制でここを管理しており、食料品などの物資は空中から投下され供給される。また素潜りで魚を捕らえ、食料の足しにしているという。

現在この地では大きな衝突は起きていないこともあり、日々の任務はまるで熱帯の楽園での生活のようだと伝えられている。だが、任務に当たっているEarl Pama中尉は「中国がここに入ってこようとすれば、我々は即座に防御できる用意ができている。この船を守るためなら、命は惜しまない」と話している。

CNN 2014/07
Photo: WESCOM AFP official website
Text : 鳥嶋真也 - 003

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