米下院議員、民間人への防弾製品の拡販を禁止する議案書を提出

ミリタリーブログサポートチーム

2014年08月26日 14:28

アメリカ・カリフォルニア州の連邦議会議員マイク・ホンダ (Mike Honda) 氏が、一般人に対して NIJ 規格タイプ Ⅲ 以上に準ずる防弾・防護服・シールド・ヘルメットの販売、購入、使用または所有の禁止もとめる議案書をアメリカ合衆国議会に提出した。

ホンダ氏によると、最近発生した保安官二名が殉職した事件を例に上げ、ボディーアーマーなどで重装備した犯人を警察などが対処するにはリスクが高いこと、加えて市民にも危害が広がる恐れを指摘している。

NIJ 規格 (NIJ Standards) とは、アメリカ・国立司法省研究所 (NIJ: National Institute of Justice) が制定した防弾能力をランク付けする規格である。
NIJ 規格 - 0101.06 - ボディーアーマーの防弾性能
・ⅡAタイプ 9mm FMJ , 40S&W FMJ
・Ⅱタイプ 9mm FMJ , 357マグナム JSP
・ⅢAタイプ 357SIG FMJ FN , 44マグナム SJHP
・Ⅲタイプ 7.62mm FMJ
・Ⅳタイプ 30-06 AP
※詳しくはこちら→https://www.ncjrs.gov/pdffiles1/nij/223054.pdf
重装備武装した犯人によって複数の死傷者をだす事件が後を絶たないアメリカだが、1997 年ロサンゼルスのノースハリウッドで発生した銀行強盗事件が有名である。

ルーマニア製の AIMS 自動小銃 (ドラムマガジン装着) で武装した二人の犯人は、NIJ 規格タイプ ⅢA ケブラー製ボディーアーマーを胴体だけでなく腕などにも着用していた。そのため、当時の制服警官の銃装備ではあまりにも非力で、犯人側に翻弄され続け約 45 分に渡る銃撃戦で、警察官 12 人と民間人 8 人の負傷者が出る事態となった。

この事件を教訓にアメリカ全土でのパトカーへのアサルトライフル配備が進むこととなる。ボディーアーマーの販売を取り締まる流れは 2002 年以降となるが、州によって対応がまちまちのようだ。

なお、事件は後に TV 映画「44MINUTES:THE NORTH HOLLYWOOD SHOOT-OUT (邦題: 44 ミニッツ) 」のモチーフとなっている。

Congressman Mike Honda 2014/07/31
Photo Credit: Conrad Johnson, RDECOM
Image is for illustration purposes only.
Text : I.Yugeshima - 004

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