イスラム国、イラクの大学研究施設から盗み出した放射性ウランによる「ダーティーボム」保有を宣言

ミリタリーブログサポートチーム

2014年12月04日 20:38

英国人のイスラム国 (IS: Islamic State) 狂信者が「ダーティーボム」を製造し、首都ロンドンにダメージを負わせることができると豪語している。

こう豪語したのは、Hamayun Tariq 容疑者 37 歳。ムスリム名を「al-Britani」と称し、Twitter 上で呟いた内容がソースとなり世界中で拡散された。

同容疑者は、英・イングランドの州のひとつ、ウェスト・ミッドランズの町・ダドリーの自宅から 2012 年に失踪。現在は、同伴する英国人と共にシリアにいることが確認されている。

「汚い爆弾」を意味する「ダーティーボム (Dirty Bomb) 」は、放射能の汚染爆弾を意味し、有毒な放射性物質を撒き散らす爆弾のことを指している。

同容疑者の呟きを裏付ける背景も併せて報じれている。
今年 6 月に、イスラム国がイラク北部のモースル (Mosul) を占領。その後、7 月に入って同地域にある大学で保管されていた放射性ウラン、40 キログラムが何者かに盗まれ、その行方が分からなくなっていた。

当該大学は、中東で最大の教育・研究機関のひとつ、「モースル大学」とされており、同大学の公式 FaceBook には騒乱を示す 6 月 28 日の更新を最後に更新がストップしたままとなっている。

なお、放射性物質がイスラム国の手に渡った可能性を受け、イラクの Mohamed Ali Alhakim 国連大使は、7 月 8 日の時点で潘基文 国連事務総長に対して事情をしたためた文書を送っている。

容疑者の主張するダーティーボムが実在した場合、シリアやイラクで使用される可能性が高く、西洋諸国で使用される確率はそれよりも低いと考えられている。

なお、「イスラム国」は「国」と表現されているが、一般的な「国家」の体を成している訳ではなく、実質的には大規模な「テロリスト集団」と解釈されている。

Mirror 2014/11/29
Photo: University of Mosul

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