フランス軍小銃コンペにクロアチア製アサルトライフル「VHS-2」が参入

ミリタリーブログサポートチーム

2015年02月16日 16:21

The Firearm Blog は、ポーランドの ALTAIR Air Agency Sp. z oo が運営する航空・防衛関連サイトの情報をソースとして、「フランス軍のライフル選定コンペにクロアチア製アサルトライフル VHS-2 が参入」と報じた。
VHS は、「Višenamjenska Hrvatska Strojnica」の頭文字からとった 「多目的のクロアチア製マシンガン」の意味を持つブルパップ式アサルトライフルで、同国の HS Produkt d.o.o. が開発を手掛けている。
ブルパップ (Bullpup) とは、グリップとトリガーより後方に弾倉や機関部が位置する小銃の構成を指す。

Products list of HS Product
HS Product 社は、1990 年におこなわれたクロアチア初の選挙の後に、首都ザグレブ (Zagreb) から南西 50 キロメートルに位置するオザリ (Ozalj) を本拠に創設された企業。その後 2001 年には、同社で設計・製造されたセミオートピストル「HS 2000」を世に送り出している。HS 2000 は、米国のスプリングフィールド・アーモリー社が販売委託権を獲得し、2002 年に「スプリングフィールド XD」の名で売り出されたことが有名だ。

Potencjalni następcy FAMAS-a / ALTAIR Air Agency Sp. z oo
ALTAIR の記事によれば、フランス軍の正式小銃 FAMAS をリプレイスする目的で立ち上げられた「Arme Individuelle Future (AIF) 」計画の下、フランス国防装備庁 (DGA: Direction générale de l'Armement) が Heckler & Koch (H&K)、FN Herstal、Beretta、SIG Sauer と HS Produkt と言った小銃製造業者 5 社の招請をおこなっている。

これは欧州最大の小火器リプレイス案件の 1 つで、DGA では、2014 年 5 月に 90,000 挺のアサルトライフルとその弾薬 (5.56 mm x 45 NATO) 3,800 万発、40x46mm グレネード × 51,000 発の調達が発表されている。また、次期小銃の必要条件としてフランス側からは、EU 圏内での製造であることと、年間 16,000 挺の製造能力を満たすことが掲げられている。(クロアチアは 2013 年 7 月、EU に加盟している)

Nove jurišne puške VHS-2 za Hrvaško in Iraško vojsko / Revija OBRAMBA
VHS-2 は、HS Produkt 社の VHS アサルトライフルの改良バリエーションモデルで、スロベニアの軍事情報サイト Revija OBRAMBA ("World News") によれば、VHS-2 は母国クロアチアではなく、イラクが初配備先になるだろうとのこと。その数は 10,000 挺が示されている。

先述の競合他社からは、HK416A5、SCAR-L、ARX 160 などの名が挙げられている模様だが、ブルパップスタイルに慣れたフランス軍で同じブルパップ式を採用している VHS-2 の優位性が如何ほどかは現在のところ「不透明」とのこと。

過去の「フランス軍制式採用小銃リプレイス計画」関連記事:
フランス軍 FAMAS リプレイス計画が公共契約告示官報「BOAMP」で掲載
フランス陸軍の次期小銃は、FAMASに代わってHK416??
フランス陸軍、FA-MASの採用を中止か?!

ALTAIR 2015/02/12
The Firearm Blog 2015/02/13
OBRAMBA 2015/02/05
IHS Jane's Defence Weekly 2014/05/22
About HS-Produkt
About French DGA: PricewaterhouseCoopers 2009/02 / National Diet Library
About Croatia of euro member / EU Magazine 2013/07/17
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