2015年07月07日 17:05
米国内務省の土地管理局が迷彩技術に関する研究レポートを掲載した。これは風光明媚な土地での景観を損なわない配慮など、軍事目的とは異なる視点でおこなわれた、延べ 11 年に渡る研究レポートで、カナダの迷彩開発企業 HyperStealth Biotechnology Corp (ハイパーステルス社) の CEO である Guy Cramer 氏も協力している。本レポートは、カラーパレットを使った色の組み合わせや、遠近の距離感によってテクスチャの使い分けをおこなう研究など、写真やイラストを多用しており、英文を読まずとも迷彩技術の開発について分かり易い資料となっている。
In part through Thayer's influence, disruptive coloration was widely used for military camouflage during World War I, especially for merchant ships (it was called ‘dazzle painting’) because it made it harder for German submarine (U-boat) gunners to accurately aim their torpedoes. Shown here is an American dazzle-painted ship, c. 1918. Author's collection.その後、1914 年に勃発した第一次世界大戦では「ダズル迷彩 (dazzle camouflage or dazzle painting) 」が用いられており、当時の迷彩は今のような「隠す」ことではなく、艦種や艦艇のサイズの他、その移動速度や進行方向などの把握を困難にし、敵の攻撃による決定打を受けないことが狙いだったとされる。
1970 年代には、Timothy R. O'neill, William L. Johnsmeyer 両氏により設計された Dual-Texture Gradient Pattern (Dual-Tex) に基づく、マクロとミクロの異なる 2 つの大きさのパターンで構成し、見る者の視覚形態を崩すことができる、フラクタルやピクセルに代表される迷彩が 30 年以上に渡ってミリタリー分野で研究されている。また、近未来に向けた迷彩技術として、透明マントのような光学迷彩の開発も日夜研究が進められている。