米陸軍 Natick によるナノテクノロジーを応用した食品包装技術の開発
戦場の兵士にとって、食事は何よりも重要なものである。できれば、新鮮なものを食べたいと思う。
「最前線に新鮮な食べ物を届ける」、これは簡単なようで非常に難しいことである。現在のレーションも高機能であるが、すべて加工食品であり「新鮮」とは言いがたい。
例えば、現在、新鮮な野菜を使ったサラダを最前線に届けるには、冷蔵庫に野菜を詰め込んで、現地で調理するほかない。なぜなら、サラダを従来のパッケージに入れると、パッケージの隙間(ミクロン単位)から水分や酸素が入り込み、すぐに新鮮ではなくなってしまうからだ。
このような問題を解決するべく、陸軍の素材研究所では、ナノ複合体材質を使ったパッケージ材の開発に取り組んでいる。ナノ複合体材質は、熱可塑性プラスチックにナノクレー粒子を混ぜ込むことで、高い密閉性を確保する技術である。この材質は、従来のフィルムの材質の1,000分の1の薄さで、水素や酸素の分子も透過することができないため、いつまでも食料を新鮮に保つことができる。
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