ロシアで 10 キロメートル先の無人機やミサイルを撃墜させる「マイクロ波放射砲」の開発を計画

ミリタリーブログサポートチーム

2015年09月01日 19:12


Source: Press photo
ロシア報道機関によると、軍事開発機関のモスクワ無線工学研究所がマイクロ波の原理を使った大砲を開発していると報じた。開発者によると、この新しい兵器は、10km先の航空機やドローン、精密誘導弾などを撃墜できるそうである。このマイクロ波砲の原理は、強力なマイクロ波を航空機やミサイルに照射することで、内部の電子機器に影響を与え、制御不能にすることで撃墜するという。

この大砲は、強力な発電機、ミラーアンテナ、コントロールシステム、そして伝送システムで構成され、現状の対空砲を載せる車両に搭載でき、専用のプラットフォームが開発されれば360度の防空が可能となる。
しかし、ロシア国内のマイクロ波の専門家からは、10kmもの距離にある電子機器に影響を与えるだけのマイクロ波を放出するには、原子力発電所1基が発電するほどの電力が必要であり、また、マイクロ波は、距離が伸びるほど拡散してしまう性質を持っているため、音速で飛来するミサイルや航空機にピンポイントで照準を合わせることが困難であることから、現実味がないという意見もある。

さらに、かつてロシア空軍の研究部門にいた退役将官は、「ソビエト時代に構想はあったが、研究されずに放置されていた。突然、実用化されるとは信じられない」とコメントした。

このようなコメントもある一方で、モスクワ無線工学研究所は、15年以内の実用化を目指している。

Russia & India Report 2015/07/26
Text: 友清仁 - FM201509
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