イラクでダーイッシュ (IS) 掃討作戦を先導する米海兵隊特殊部隊「レイダース (MARSOC) 」
米海兵隊の特殊作戦部隊である MARSOC (Marine Corps Forces Special Operations Command) 関連の情報を配信中の Level Zero Heroes が FaceBook 上で、タクティカルアパレル販売サイト 11Bravos.com による記事をシェア紹介した。そこには「レイダース (Raiders) がダーイッシュ (IS, Islamic State, ISIS, ISIL) との戦いを先導する」とした記事が掲載されていた。
この 11Bravos.com の記事を調べると、2015 年 8 月に米海兵隊の専門ニュースサイト「マリーンコープス・タイムズ (Marine Corps Times) で紹介された内容が大元になっていたことが分かった。
そのソースでは、MARSOC 報道官バリー・モリス (Barry Morris) 大尉により「MARSOC は大佐を指揮官とした部隊を来年 (= 2016 年) 初旬にもイラクへ派遣する」との当時の発言が掲載されていた。
また、モリス大尉は「今回のディプロイメントは、MARSOC が初めて完全なる合同統合特殊作戦タスクフォース (CJSOTF: Combined Joint Special Operations Task Force) に形成されて展開する事例」とも述べている。時系列通りに計画が進行中であれば、今後 MARSOC レイダースによる特殊作戦の成果が白日の下に晒される日が来るかもしれない。
そして、特殊作戦軍 (USSOCOM : U.S. Special Operations COMmand) の司令官を務めるジョセフ・ヴォーテル (Joseph Votel) 陸軍大将は、SOCOM の発足から遅れ、2006 年 2 月 24 日に創設を迎えた MARSOC の精鋭隊員 (CSO: Critical Skills Operator) に対して「陸軍のレンジャーが歩んだこの 10 年以上に熟練した部隊だ」と評価。
別の SOCOM 関係者は、陸軍ではレンジャーとグリーンベレーによりその能力が分割されているのに対して、MAROSOC レイダースでは単一部隊において不正規戦、攻撃部隊としての評価を挙げている。また MARSOC がこれまでに戦闘功労「V デバイス」付きを含めた 233 個の青銅星章、20 個の銀星章、7 個の海軍十字章の叙勲があったことを引き合いに、その精鋭さを紹介している。
この数ヶ月で米軍特殊部隊のイラクへの派遣は周知の事実となった。2015 年 10 月には、イラク北部のキルクーク県で、クルド人治安部隊「ペシュメルガ (Peshmerga) 」によるダーイッシュ掃討を狙った特殊作戦がおこなわれ、アタッチした陸軍最精鋭の特殊部隊デルタフォース隊員、ジョシュア・ウィーラー (Joshua L. Wheeler) 曹長 (39 歳) が敵の凶弾に倒れたことが大々的に報じられたことが記憶にも新しい。ウィーラー曹長の犠牲は米軍にとって、2011 年のイラク撤退以来、またダーイッシュ掃討作戦の戦闘において初めての事例となる。
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11Bravos.com 2016/02/11
Marine Corps Times 2015/08/26
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