メキシコ麻薬戦争のドキュメンタリー映画「カルテル・ランド (Cartel Land)」が 5 月に日本公開
本作は ――
メキシコ/ミチョアカン州では、麻薬カルテル「テンプル騎士団」の傍若無人な行動によって多くの一般市民が犠牲となっていた。それを見かねた医師のホセ・ミレレス氏は、民兵組織を結成しカルテルと立ち向かうようになる。そして、アリゾナ砂漠のオルター・バレー(通称コカイン通り)では、米退役軍人のティム・フォーリーが「アリゾナ国境偵察隊」を結成し、麻薬密輸グループに対抗し始める。その活躍を知ったメキシコ各地の一般市民は、次々と武装蜂起し“自警団”を結成していく。それらの民兵組織や自警団はカルテルを圧倒する存在となるが、やがて収賄や癒着などが氾濫し制御が効かない状態へと発展していく・・・。
―― 麻薬を巡る混沌とした環境下で、善悪の境を無くした者達の“秩序の崩壊”に鋭く迫った問題作である。
監督は、マシュー・ハイネマン(Matthew Heineman)。アメリカの医療システムを題材にした映画「Escape Fire: The Fight to Rescue American Healthcare」などのドキュメンタリー作品を数本手掛けており、プロデューサーとしても活躍している。
製作総指揮は、映画「ハート・ロッカー」で女性初のオスカー監督に輝いたキャスリン・ビグロー。
短編アニメ映画「Last Days」など近年関わった作品は、以前に比べ社会派色がより強いものとなっている。
ドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』は、シアター・イメージフォーラム他にて5月公開予定。
Text: 弓削島一樹 - FM201602
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