元 FBI 特別捜査官のパラレスキュー生徒が、訓練課程の落第を怨恨に部隊長を射殺か

ミリタリーブログサポートチーム

2016年04月11日 18:47


Photo by Senior Airman Christopher Muncy
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米空軍の精鋭隊員を養成する教育部隊で、2 つの遺体が発見された。

事件の舞台となったのは、テキサス州サンアントニオ統合基地内にあるラックランド空軍基地。ここに司令部を置く、第 37 訓練航空団 第 342 訓練飛行中隊は、空軍特殊作戦司令部 (AFSOC) 隷下で活躍する精鋭隊員らにおいて、エントリーレベルで要求される、パラレスキューや戦闘管制、爆発物処理に始まる様々なスキルを訓練し、審査する教育部隊。

空軍は 8 日 (金) に、発見された 2 つの遺体の内 1 つは、ここの司令官であるウィリアム・シュローダー (William A. Schroeder) 中佐 (39 歳) であることを確認。また、もう 1 つの遺体が同隊の生徒スティーブン・ベリーノ (Steven D. Bellino) 技能軍曹 (41 歳) であることを発表している。

その後の調べで、生徒であったベリーノ容疑者が、部隊長であったシュローダー中佐を射殺したという流れが見えてきている。
オハイオ州 パルマ・ハイツ出身のベリーノ容疑者は、2015 年 6 月から第 342 訓練飛行中隊に所属。空軍に入隊する前は連邦捜査局 (FBI: Federal Bureau of Investigation) で「特別捜査官」として、少なくとも 2 年間に渡って職務を全うしていた他、陸軍での軍務経験を持ち、イラクに派兵されたこともある。


U.S. Air Force Photo/Staff Sgt. Leslie Kraushaar
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空軍で勤務した 1 年弱の期間において、ベリーノ容疑者がどのような職務を全うしてきたのかは明らかになっていないが、パラレスキュー訓練課程の中で実施される「水中耐久試験 (water endurance test) 」に落第して以降、周囲に不満を漏らしていた事が複数の報道によって明らかとなっている。


Lt. Col. William A. Schroeder, commander of the 342nd Training Squadron
Photo: U.S. Air Force
一方のシュローダー中佐は、1999 年に空軍へ入隊以降、10 年以上に渡って多くの特殊作戦での指揮経験を持つ気象士官 (weather officer)。妻と 2 人の子供がいる。

ベリーノ容疑者は犯行当日、午前 8 時 40 分に、普段は空軍の兵士らにより特殊作戦について講義がおこなわれているフォーブス・ホールの 1 階で凶行に及んだ。現場からは 2 挺の Glock ピストルが発見されている。

空軍は FBI のサポートを受けて事件の原因究明に当たっているが、現在のところテロとの関係は確認されていない。
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