シリア潜入取材中のフランスメディアの捉えた米軍特殊部隊員の活動映像が独占公開中

ミリタリーブログサポートチーム

2016年04月25日 13:51

ダーイッシュ (Daesh, IS, Islamic State, ISIS, ISIL) の支配を受けていたシリア戦略重要拠点の奪還を掲げた作戦が繰り広げられている中、戦地へ潜入取材をしていたフランスメディア。その撮影クルーのカメラが、戦場の最前線で活動する米国をはじめとした西側連合軍の特殊部隊員の姿を捉えていた。

フランスの国際ニュース専門チャンネル「フランス・ヴァン・カトル (FRANCE 24) 」は 22 日、シリア北西部にある戦略重要拠点の 1 つ、アル・シャダディ (al Shaddadi) を独占取材した際の映像を公開した。

公開されたオリジナル映像は全部で 37 分超となっているが、ミリブロ読者的に注目なのは、その中の 9 分 30 秒~ 10 分 15 秒 (オリジナル映像での尺表記) 。

この僅か 45 秒の映像には、ダーイッシュとの戦いに派遣された軍事アドバイザーらが、市街地を見下ろす丘陵地からダーイッシュの動きを監視し、戦略拠点の奪還をおこなう上で極めて重要な近接航空支援 (CAS: Close Air Support) を手掛けている様子が映し出されている。
映像を一時停止し、細部を拡大しながら見てみると、登場する米軍特殊部隊員の携行する銃器や装備的には、海兵隊の特殊部隊である「レイダース (MARSOC) 」や、陸軍特殊部隊「グリーンベレー (ODA: Operation Detachment Alfa) 」の特徴を持ち合わせていることが確認できる。


Capture screen via FRANCE 24 English.
ブルドーザーを使って壁を構築中の映像から。その特徴的な外観からも、米海兵隊で運用されている M32 MGL (Multiple Grenade Launcher) リボルバーランチャーの存在も確認できる。


Capture screen via FRANCE 24 English.
T シャツに黒のジーパンというラフなスタイルのこちらの隊員。ノロトス (Norotos) 製のマウントベースが取り付けられたオプスコア (Ops-Core) バリスティックヘルメットに、Crye Precision AVS Mulcicam プレートキャリアという組み合わせになっているのが分かる。

携行しているライフルには、ダニエル・ディフェンス (Daniel Defense) 製 RIS II M4A1 レール、EOTech HWS (Holographic Weapon Sight) / Magnifier という定番の組み合わと、Magpul CTR ストックの取り付けが。また、サイドアームには、Glock 19 (後述の別アングル写真で確認) をチョイスしており、サファリランド製 ALS (Automatick Locking System) ホルスターを使用していることが確認できる。


Capture screen via FRANCE 24 English.
M2010 を使って監視する特殊部隊員。
M2010 は 2011 年に米陸軍で運用が始まったボルトアクション式のスナイパーライフル。映像では、リューポルド製スコープ (Mark 4 ER/T 6.5-20x50mm (34mm) M5A2 Locking Adj.) と、アドバンスド・アーマメント・コープ (Advanced Armament Corporation) 製サウンドサプレッサーという、標準的な組み合わせが確認できる。


シャダディは、ダーイッシュが「首都」と定めるラッカの東、ハサカ県の県都であるハサカを経由し、車で 4 時間弱のところにあり、2 年前の侵攻以来ダーイッシュの支配下に落ちていた。

今年 2 月、米国をはじめとするダーイッシュ討伐を掲げる連合軍の激しい空爆の後押しを受け、その攻勢を強めた「シリア民主軍 (SDF: Syrian Democratic Forces) 」がシャダディを包囲。10 日間に渡る戦闘を繰り広げている。

シリア民主軍は、シリアで活動していたクルド人民防衛隊 (YPG: Yekîneyên Parastina Gel) を主体とし、共闘を続けたアラブ系反政府勢力から構成される。
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