軍事技術の民間転用、DARPA「Warrior Web」計画が患者の治療用途に利用へ

ミリタリーブログサポートチーム

2016年05月24日 12:57


Photo: Warrior Web project / DARPA
リウォーク・ロボティックス社 (ReWalk Robotics Ltd.) と、名門ハーバード大学で生物学的発想工学 (Biologically Inspired Engineering) を専門とするヴィース研究所 (Wyss Institute) が、脳卒中や多発性硬化症、運動制限患者の治療を目的とした軽量でソフトな外骨格 (exoskeleton) システムの開発に向けて提携することを発表。5 年に渡る提携の中で、広範な知的財産権の確立を目指すとしている。

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提携合意の発表を受け国防総省国防高等研究事業局 (DARPA: Defense Advanced Research Projects Agency) は、「DARPA が推進する「ウォーリアー・ウェブ (Warrior Web) 」計画が継続する」「今回踏み出した一歩が、軍事技術における民生利用の際たる一例だ」として紹介している。

Credit: Wyss Institute at Harvard University
ウォーリアー・ウェブ計画は、ボディーアーマーへの干渉や兵士の動きを妨げず、兵士の運搬能力を高めるなどパフォーマンスの改善をすると共に、負傷を防ぎ、疲労の軽減を図ることを目的としている。この種のソリューションでは、一般的に大掛かりな外骨格を身に着ける必要があるが、本計画では戦闘服の下にも着用できるようなアンダースーツスタイルの実現「アンチ・外骨格」を掲げている。

ウォーリアー・ウェブ計画の開発に当たってヴィース研究所は、DARPA から 260万ドル の開発資金を獲得している。また、当計画では当初より民生用途として商業化する計画を持ち合わせていた。
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