テスラ製自動運転車輌で初の死亡事故。死亡者は元・米海軍特殊部隊 SEAL 隊員

ミリタリーブログサポートチーム

2016年07月04日 13:43


Krista Kitchen via AP
米運輸省の国家道路交通安全局 (NHTSA: National Highway Traffic and Safety Administration) は 6 月 30 日、「オートパイロット」搭載車で初の死亡事故が発生したことを発表した。米英のタブロイド紙などによると、死亡した男性は元・米海軍特殊部隊 SEAL 隊員であったと報じている。

事故が起きたのは、5 月 7 日。ジョシュア・ブラウン (Joshua D. Brown) 氏 (40 歳) は、フロリダ州ウィストンのハイウェーを愛車テスラ・モーターズ製の電気自動車「テスラ・モデル S」に乗って「自動運転モード」を起動させて走行。前方を走っていた大型トレーラーが左折したことをセンサーが感知できず、トレーラーの脇腹に突っ込む事故を起こして死亡している。当日降り注いでいた強い日差しと、トレーラーの白い車体とを識別できず、減速に至らなかったことが原因とみられている。
ブラウン氏は、オハイオ州ストーの技術企業、ネクス・イノヴェーションズ社 (Nexu Innovations Inc) のオーナー。愛車に「テッシー」と名付けるなど、テスラ車のオートパイロット機能に夢中であったと言われている。


Facebook/Joshua Brown
軍事ニュース各サイトによれば、ブラウン氏は海軍に 11 年に渡って在籍した人物でもあり、爆発物処理技術者として優れた技能 (master explosive ordnance disposal technician) を有していた。また、AP 通信など英語圏のニュースによると、海軍在籍中は、米軍最精鋭として名高い ST6 (SEAL Team 6, a.k.a. DevGru) と共に派遣され、爆発物処理の任務に就くなどしていたようだ。

今回の事故について、テスラ社は「これまで当社のオートパイロットモードは、1 億 3,000 万マイル (=約 2 億 1,000 万キロメートル, 地球 5,250 周分) にも及ぶ走行テストが行われてきたが、事故を起こしたことは無かった」としている。なお、事故車のテスラ・モデル S が搭載する自動運転モードは「ベータ版」の扱いとなっており、ドライバーはハンドルを握り、前方を注視する必要があったとされる。
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