ゾンビが蔓延る終末世界を舞台に描く SF ホラー映画「The Girl With All The Gifts」
ゾンビが蔓延る終末世界を舞台にゾンビ化した天才少女と人類の運命を描くSFホラー映画『 The Girl With All The Gifts 』のオフィシャルトレーラーが、Youtube の Warner Bros. UK 公式チャンネルで公開中である。
本作は、「X-men」などアメコミのストーリーライターとしても有名なイギリスの小説家マイク・キャリー(M.R. Carey) が、2014年6月に発表したベストセラーSFホラー作品「The Girl With All The Gifts(原作邦題:パンドラの少女」)」を原作としている。
近年ブラジルの熱帯雨林で発見された昆虫寄生菌 (学名:Ophiocordyceps camponoti-balzani)が、本作に登場する“ゾンビ”のアイディアの基となっている。蟻をゾンビ化することで知られる昆虫寄生菌は、感染後に蟻の脳を支配し、菌の成長と胞子拡散に適した場所へと身体を操り、目的地に達すると蟻は絶命するとされている。
本作では、この昆虫寄生菌が突然変異によって人間に感染しゾンビ“ハングリーズ”となる設定である。健康な人間の肉を餌とするハングリーズは、血液や唾液だけでなく胞子でも菌を拡散することが出来る。
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物語は ―― ハングリーズは人間の体液や血肉に反応して凶暴化するが、その中の一部の子供は通常時に症状が現れないため、ゾンビ治療の研究対象として軍事基地に収容されていた。ハングリーズの少女メラニーも研究対象のひとりだった。
コールドウェル博士の指導の下で、子供たちの教育を担当することになった教師ヘレンは、メラニーが高い知能指数を示したことを切っ掛けに同情心が生まれてしまう。
そんな中、基地がハングリーズの大群に襲撃を受け危機的状況となるが、ヘレンはメラニーによって命を救われる。壊滅状態の基地から脱出したパークス軍曹と数名の兵士、コールドウェル博士、ヘレンらは、メラニーと共に治療方法を求めてハングリーズが跳梁跋扈する荒廃した世界へと突入していく…。
監督は「シャーロック」や「ドクター・フー」などTVドラマを中心に活躍するコルム・マッカーシー(Colm McCarthy)。本作が長編2作品目となる。脚本は原作者のマイク・キャリーが手掛けているが、小説版とは少し異なるストーリーになるようだ。
ゾンビ天才少女メラニー役には、新人のセニア・ナニュア(Sennia Nanua)。教師ヘレン役には、「007 慰めの報酬」等に出演しているイギリスの女優ジェマ・アータートン( Gemma Arterton )。コールドウェル博士役には、ディズニー映画「101」の悪女クルエラ・デ・ビル役などを演じトニー賞を3回受賞しアカデミー賞で6回ノミネートされている演技派ベテラン女優グレン・クローズ( Glenn Close )。パークス軍曹役には、エドガー・ライト監督作品の常連俳優パディ・コンシダイン( Paddy Considine )、などが出演する。
捻りの効いた設定で、他のゾンビ映画とは一線を画す感がある『 The Girl With All The Gifts 』は、イギリスで2016年9月23日に公開予定。日本での公開は現在未定である。
Text: 弓削島一樹 - FM201607
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