「"ポーランド・ファイティング・サイン"に尊厳を」特殊部隊 JWK が協力したキャンペーン動画『Symbol』

ミリタリーブログサポートチーム

2016年08月13日 02:43

ポーランド軍特殊部隊 JWK( Jednostka Wojskowa Komandosow )が協力した“ポーランド・ファイティング・サイン”のキャンペーン動画『 Symbol 』が、Youtube の Film Produkcja 公式チャンネルで公開された。
本キャンペーンは、フーリガンなど暴力行為を行う者たちが“ポーランド・ファイティング・サイン( Znak Polski Walczącej もしくは Kotwica )”をそれらグループのシンボルとして掲げる傾向があるため、サインに込められた本来の意味を正す目的で行われたものである。キャンペーン公式サイトには「ポーランド・ファイティング・サインに尊厳をもって」と謳っており、多数の企業が賛同している。


Photo: via Wikimedia Commons
The Kotwica being painted on a wall by a member of the Polish resistance.
“ポーランド・ファイティング・サイン”は、第二次世界大戦中のポーランドで活動したナチス・ドイツに対抗するレジスタンス組織:国内軍(アルミア・クラヨーヴァ:Armia Krajowa / AK )の軍旗として1942年に誕生した。アルファベットの P と W で構成されるマークは、P =ポーランドと W =錨/アンカーを表し、ポーランドの“独立”と“回復への希望”の意味が込められている。

国の誇りでもあるサインが、時代が進むにつれ悪しきシンボルとして使用されだしたことを危惧し、ポーランド議会は2014年6月に“ポーランド・ファイティング・サイン”の保護に関する法律を可決した。また、同年よりポーランド軍特殊部隊 JWK のマークに採用された。


Image: JWK Unit insignia as of 2014
JWKは、国内軍の伝統を継承するポーランド軍最古の部隊であり、特別偵察/不正規戦/戦闘捜索救助/テロ対策/軍事支援/人質救出など活動は多岐に渡り、アフガニスタン、イラク、パキスタン、コンゴ民主共和国、マケドニア、シリア、カンボジアなどの戦闘地域へも赴いている。

2014年にはユニークな PV を公開している。参考動画:「1944 - 2014」
キャンペーン公式サイトには、JWK 司令官 Wiesław Kukuła 大佐の「非道な暴力行為をする者たちが、サインをシンボルとして利用することに反対する。我々 JWK は、サインに恥じないように敬意を持って、今後も職務に当たっていく」といった旨のコメントを掲載している。

Text: 弓削島一樹 - FM201608
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