映画『John Wick: Chapter 2』の公式トレーラーとセンター・アクシス・リロック (CAR) システム

ミリタリーブログサポートチーム

2016年12月26日 18:31

キアヌ・リーブス(Keanu Reeves)演じる殺し屋ジョン・ウィックの活躍を描いたアクション映画『John Wick: Chapter 2』の海外版オフィシャルトレーラーが、Youtube の Lionsgate 公式チャンネルで公開された。
過去のミリブロNewsで、本作のティザートレーラーと共に作品内容と関連エピソードを紹介しているが、今回公開されたオフィシャルトレーラーは、イメージ先行の前トレーラーとは異なり物語を意識させる構成となっている。

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本作の見所はガンアクションであるが、主人公ジョン・ウィックの独特な射撃テクニックは、前作公開時に国内外問わず一部のガンアクションファンの間で話題となった。

参考動画:John Wick Movie CLIP - Bar Gun Fight (2014) - Keanu Reeves HD
前作の日本版オフィシャルサイトでも触れられているが、ジョン・ウィックの射撃テクニックは、米 Sabre Tactical 社が提唱する“The CAR System(Center Axis Relock System)”を基にしているようだ。

“The CAR System”は、Sabre Tactical 社のインストラクター:故ポール・キャッスル(Paul Castle)氏が考案した接近戦用の射撃テクニックで、四つの射撃ポジション(High / Combat High / Extended / Apogee)を基本とし、安定性と操作性に優れていると同社は謳っている。

参考動画:Evolution of the Pistol
ハイレディポジションから素早くサイティングできるコンパクトなフォーム“Extended”は、アソセレススタンスやウィーバースタンスのように腕を突き出すスタイルとは異なり、両肘を曲げた状態で構え、持ち手とは逆の目(右手で構える場合は左目)でサイティングするのが特徴である。脇腹もしくは胸元で銃を構えて行うノーサイティング・テクニックの“High”や、銃口部を用いて行う非殺傷テクニックの“The Pistol Punch”など、これらのテクニックは銃を掴まれるなどの妨害にも対処し易いよう考案されている。

参考動画:Pistol Draw at CQ: Weaver/Isoc + Center Axis Relock
“The CAR System”は、視野が広く取れ、リロードやジャム対処に効率的で、反動をコントロールし易いため体格に関係なく扱え、ハンドガンだけでなくライフルやショットガンなどの長物にも応用でき、CQB エントリーや 馬上 / 車内 / 船上 / 機内といった様々なシーンに活用できる、など様々な利点を挙げている。

参考動画 サブマシンガンのデモンストレーション


参考動画 ショットガンのデモンストレーション

イギリスで警察官を務めていたポール氏は、退職後にタクティカル・トレーナーとしてアメリカに渡り、自らの経験と知識を基に“The CAR System”を考案した。“このシステムが命を救う”という強い信念をもって指導にあたっていたポール氏であったが、2011 年に癌のため他界している。

Text: 弓削島一樹 - FM201612
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