米軍特殊作戦司令部が「M-LOK」モジュラーレイルシステムを高評価

ミリタリーブログサポートチーム

2017年03月31日 19:12


Photo from Magpul
米海軍海上戦闘センター(NSWC: Naval Surface Warfare Center)/クレーン(CRANE)は、モジュラーレールシステムを評価し、各システムの性能特性に基づいて推奨するために、軍特殊作戦司令部(USSOCOM: U.S. Special Operations Command)に向けた試験をおこなった。
銃器情報サイトのリコイルが入手した海軍海洋システム司令部(NAVSEA: Naval Sea Systems Command)の資料によると、試験では、併行精度や手荒い取り扱いによる耐久性、落下試験、静的破損荷重といった項目に対する評価がおこなわれている。その結果、M-LOKモジュラーレールシステムは、他のモジュラーレールシステムの性能結果を上回ったことが示されている。

M-LOK Overview
レポートによると、ハンドガードの同じ場所に何度も取り付けてみる試験では、他のモジュラーレイルシステムと比べて1/4以下の併行精度(再現性)が示されている。また落下試験では、ハンドガードにアクセサリをしっかりと固定し、他のモジュラーレールシステムよりも衝撃による損傷が少なかったとのこと。加えて障害負荷テストでは、評価に供されたモジュラーレールシステムと比べて3倍以上にもなる、最も優秀なスコアだったとのこと。

これら評価試験の結果を踏まえて、NSWCクレーンは特殊作戦司令部に対して「M-LOKモジュラーレイルシステムは有用だ」として太鼓判を押している。

特殊作戦司令部は、消音アッパーレシーバーグループ(SURG: Suppressed Upper Receiver Group)および先進スナイパーライフル(ASR: Advanced Sniper Rifle)の取得活動において、M-LOKモジュラーレールシステムを組み入れることを選択している。


Screen shot from Magpul
リコイルでの発表後、米国の戦術装備ニュースサイト、ソルジャー・システムズ・デイリー(SSD: Soldier Systems Daily)がこの件を報じ、一気に拡散している。そして、それに反応したマグプル社は、「我々は遂に認められ、これを発表することになった」「M-LOKシステムを自分たちの製品に取り入れ、進歩させ、採用したすべての人に感謝したい」「そして約束通り、M-LOKは引き続き利害関係者に対して無料ライセンスで提供されるだろう」としている。

Magpul M-LOKのヒストリー
2007年後半、マグプル・インダストリーズ社(Magpul Industries Corp)は、アクセサリーレール用として機能する、3つの細長いスロットを備えたポリマーハンドガードを特徴とする「マサダ・コンセプト・ライフル(Masada Concept Rifle)」を開発した。

これらのスロットは、アタッチメントシステムとして機能し、マウントレールを必要な場所にのみ設置することができるようになっており、フロントグリップやフラッシュライトなどのアクセサリ類を直接取り付けることができ、レールインターフェイスは不要となった。

その後、2009年にはAR15/M16ライフルにも共用できるMOEハンドガードが登場し、M-LOKシステムが銃器市場に本格的な参入を果たし、多くの互換製品が登場するに至っている。


Photo from SSD
また、今年1月に米国で開催された銃器展示会、U.S.ショットショーで、ヘッケラー&コッホ(H&K: Heckler & Koch)社が、米軍で「M110A1」に指定されている小型セミオート狙撃システム(CSASS: Compact Semi-Automatic Sniper System)を展示した。ガイズリー(Geissele)製M-LOKハンドガードが取り付けられており、米軍におけるM-Lokの採用はこれが初めてになるとみられている。
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