アメリカ陸軍が「過渡的対応」として7.62mmNATO弾の自動小銃を採用か
アメリカ陸軍が7.62mmNATO弾を使用する自動小銃について、小隊の一部に配備されるいわゆる「マークスマンライフル」としてではなく、全兵士の小銃として採用を検討していると複数のメディアが報じている。
現在使用されている5.56mm弾は、7.62x54R弾を使用するドラグノフ狙撃銃やPKM機関銃よりも射程が短く、こうした兵器を使用する勢力との戦闘に不利になることが理由として挙げられている。
「過渡的対応(Interim)」とするのは、現在研究開発が進んでいる6.5mm口径の中間弾薬開発が終了するまでの「つなぎ」の処置であるため。現在陸軍では.260弾の評価、.264USA弾と.277USA弾の開発を行っているが、これらは2020年代に終了する予定で、それまで7.62mm口径の小銃を使用することが予想されている。
現在軍が所有している7.62mmの自動小銃はM14、FNのMk17 SCAR-H、KAC社のM100、H&K社のM100A1であるが、これらはいずれも少量、あるいはマークスマンライフルとしての採用であり、一般兵向けとしては改修が必要である。
あるいは口径の変更が容易なモジュラー式の自動小銃を採用し、6.5mm弾完成の際はコンバージョンキットのみを購入するということも考えられる。いずれにしても現在のM16/M4系列とは違った自動小銃を採用することになるのではないか。
自動小銃を口径ごと更新するのは実にベトナム戦争時代のM14以来となる。先日、アメリカ陸軍はM17として拳銃を採用したばかりだが、最近はこうした装備更新のニュースが続いており、軍の将来戦略の変化が伺える。
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201704
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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