イラクに提供した数万挺のアサルトライフルを含む1,100億円以上の米軍武器の監視が不十分であることが明らかに

ミリタリーブログサポートチーム

2017年05月25日 11:44


Photo By: U.S. Army Spc. Jessica Hurst
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10億ドル(=約1,116億円)以上の資産価値を持つ米軍の武器が、イラク、クウェートの武器庫で正確な監視が行き届いていない実態が明らかとなった。非政府国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが24日付で、機密解除となった国防総省の監査報告書を情報公開請求を通じて入手し明かしている。

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報告によると米政府は、2016年9月から国防総省がクウェートとイラクに持ち込んだ膨大な装備の物量とその場所について、正確な情報を持ち合わせていないことが示されている。背景には、イラク、クウェート現地での人為的にもずさんな管理体制が指摘されている。

アムネスティではこれら大量の武器や装備は、結果的にダーイシュ(Daesh, IS, Islamic State, ISIS, ISIL)を含めた武装組織のテロ活動に加担してしまうことに懸念を表明している。

米国のイラクに対する軍事協力は、「イラク軍訓練装備基金(ITEF: Iraq Train and Equip Fund)」によって進められており、2015年に米国はおよそ16億ドル(=約1,952億円)もの巨費をダーイシュ侵攻阻止に向けたプロジェクトの為に充当している。

プロジェクトの中では、2,800万ドル(=約34億円)相当に当たる数万挺のアサルトライフルや、数百発の迫撃砲弾、数百輌のハンヴィーなどが、クルド人ペシュメルガ部隊、イラクのシーア派武装民兵組織「PMU(Popular Mobilisation Units)」を含め、イラク陸軍に対して提供されている。
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