2017年05月25日 16:31
第2回目となる隔年開催の米国防総省装備展示イベント(DoD Lab Day 2017)が18日にペンタゴンでおこなわれ、最新技術の投入された100以上のディスプレイが紹介された。その中で、陸軍の通信用電子機器研究開発センター (CERDEC: Communications Electronics Research, Development and Engineering Center) が「戦術拡張現実(TAR: Tactical Augmented Reality)」と呼ばれる新技術を紹介している。
Photo Credit: U.S. Army
ヘッドアップディスプレイの要領で利用するTARは、アイピース(接眼レンズ)にイメージが投影されるため、兵士はNVGがマウントされているのと同じく、ハンズフリーで利用できる。もちろん、夜間でさえも利用でき、着用者は眼前に広がる地形に対して、統合化されたマッピング、ナビゲーション、3Dサーフェスモデルを備えたセンサ画像によって、より多くの必要な情報を得ることができるようになる。それによって、作戦遂行時の能力改善と兵士の生存性向上を狙っている。
Photo Credit: U.S. Army
開発の背景には、人口が都市部に集中して拡大する中で、そこをターゲットにしたテロの脅威が高まっており、複雑な環境下で展開する軍事作戦に向けた改善策の一環としての利用が見込まれている。そして陸軍は最終的には、個々の兵士が見ている風景をチームで共有することで、戦術面でのアドバンテージに活かしたいと考えている。
Photo from U.S. DoD
現行の民生技術では、画像を圧縮してタブレットや携帯電話サイズのウィンドウに収まるよう小型化ができるものの、極めて小さなアイピースに対して目視に耐える高精度な画像を得ることは、市販ハードウェアを使っては実現できない障壁となっていた。
Photo Credit: U.S. Army
Tactical Augmented Reality