「キリスト教を捨てて改宗せよ」IS戦闘員に斬首されそうな一家を英軍SASスナイパーが1Km先から救助

ミリタリーブログサポートチーム

2017年10月16日 18:03


Photo from HM Armed Forces
This photo is for illustration purposes only.
ダーイシュ(Daesh, IS, Islamic State, ISIL, ISIS)との激戦が繰り広げられてきたイラクの地で、英陸軍特殊部隊SASの精鋭スナイパーによって、斬首処刑が実行される寸前で、無実の家族が救出されるという奇跡的な展開があった。一報はSASのプロパガンダ的ニュースを得意とする、国内タブロイド紙のデイリースターが15日付で特報したのを機にネット上で拡散中だ。

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このSASスナイパーによる活躍は、昨年7月におこなわれたもので、デイリースターによると、その詳細は先週になってようやく解禁されたという。
蛮行の限りを尽くしていたダーイシュ戦闘員は当時、集落の中でキリスト教徒の一家を拘束。イスラム教への改宗を迫っていたという。ダーイシュの掲げるイスラム教は、教育環境が行き届いていないなどの中で教えられた、本来のイスラム教とは異なり、間違え・過激なものとなっている。

一家は8名の所帯で、大黒柱である父親とその息子の喉元に鋭利なナイフが突きつけられていた。イスラム教への改宗を脅迫されるも親子はそれを断固拒否。その様子を遠くで監視していた2名のSASスナイパーが絶妙なタイミングでトリガーを引いたという。


Photo from Royal Air Force (RAF).
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L115A1 長距離ライフル (LRR: Long Range Rifle) は、超長距離射程のターゲットを狙い撃つ際に使用されるスナイパーライフル。使用される .338 ラプアマグナム弾は、L96 スナイパーライフルで使用されていた 7.62×51mm NATO よりも重く、1,400 メートルを超えた長距離において偏向しにくい特性を持つ。装弾数 5 発のボックスマガジンとシュミット&ベンダー製の高性能スコープ (Schmidt & Bender 3-12x50 PM II) が付属する。

スナイパーらの怒りに満ちた銃弾は、彼らの愛用するL115スナイパーライフルから.338ラプアマグナム弾として放たれた。1,000メートルほど先にいたダーイシュ戦闘員目掛けて飛翔し、見事にヘッドショットを決め、一瞬にして葬り去ったという。

精鋭スナイパーらはこの状況に油断する事無く、スコープ越しに遥か彼方の様子を冷静に見つめていた。初弾からほんの僅か数秒後、スナイパーらはレティクルの向こう側で更に2名のダーイシュ戦闘員の姿を捉えていた。

何処からともなく飛んできたスナイパーの一撃によって、ダーイシュ戦闘員の動きは一瞬にして凍り付き、その後にパニックを起こしたという。続けざまにトリガーを引いた結果、先ほどと合わせた計4名のダーイシュ戦闘員がその場で排除されたが、残党が現場を走り去り、拾い上げた銃を手に四方八方へと乱射を始めていた。

その後、ダーイシュ戦闘員らは近くにあったトラックに乗って逃亡を試みるも、ドライバーが狙い撃たれて絶命。荷台に飛び込んだ残りの戦闘員も次々と排除されていったという。

一連の状況の中で茫然と立ち尽くしていたキリスト教の一家は、SASと帯同していたペシュメルガ戦闘員によって無事保護されている。この襲撃によって最大15名のダーイシュ戦闘員が葬り去られたという。
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