米運輸保安局が「機内持ち込みバッグから1年間に4,000挺の銃器を発見」と発表。史上ワースト記録

ミリタリーブログサポートチーム

2018年01月31日 13:42


Photo from Transportation Security Administration (TSA)
米運輸保安局(TSA: Transportation Security Administration)は29日、2017年度の総括レポートを発表。乗客の機内持ち込み用バッグの中から、4,000挺近い3,957挺の銃器を発見したと明かした。1日平均に換算して11挺近い計算で、史上ワースト記録となる。また、その大多数となる84%のケースで、発見時に弾が入ったままの状態だったことが示されている。
こうした空港チェックポイントで発見された銃器の量は、過去10年間で一貫して増加しており、直近の2016年度と比較しても16%増、10年前となる2007年度との比較ともなれば、その量は実に4倍以上にもなっている。

2017年度の空港別ワースト記録では、①ジョージア州アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港を筆頭に、②ダラス・フォートワース国際空港、③ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港と続き、全米239の空港で発見されている。以下、空港別ワースト10。

2017年度の空港別ワースト記録
①ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港: 245挺(222)
②ダラス・フォートワース国際空港: 211挺(165)
③ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港: 142挺(124)
④デンバー国際空港: 118挺(102)
⑤フェニックス・スカイハーバー国際空港: 115挺(109)
⑥タンパ国際空港: 97挺(90)
⑦オーランド国際空港: 94挺(82)
⑧ダラス・ラブフィールド空港: 93挺(81)
⑨ナッシュビル国際空港: 89挺(71)
⑩シアトル・タコマ国際空港: 75挺(60)
※カッコ内数字は、弾薬が装填された状態で見つかった数

連邦法で乗客は、施錠されたハードケースに非装填で銃器を保管し、その旨を事前に通知することにより運搬可能だが、機内持ち込み用バッグに入れての搭乗は認められていない。また、実包として正しく発射薬(パウダー)が詰め込まれている分には認められるものの、剥き出しのガンパウダーの持ち込みは一切禁止となっている。

TSA's Top 10 Most Unusual Finds: 2017


Photo from Transportation Security Administration (TSA)


Photo from Transportation Security Administration (TSA)
しかしながらレポートでは、ナイフ類や銃器のみならず、自爆用ベストに使うであろう爆薬の他、稼働状態にある手榴弾や大量の火薬など…、目を疑うような危険物の数々が機内持ち込み用バッグの中から発見・押収されていたことが示されている。

こうした危険物を持ち込もうとした者の多くは、「全く知らずにやった」とし、その悪意を否定しているという。
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