キャノピーの吹き飛んだA-10を着陸させた空軍州兵パイロットが『ジョー・フォス優秀賞』を授賞

ミリタリーブログサポートチーム

2018年03月08日 17:38


Photo courtesy U.S. Air National Guard
米空軍州兵のA-10パイロットが、飛行中に大きなトラブルに見舞われながらも、優れた判断と技術を示したことが評価され、軍航空機搭乗員会「ダイダリアン(Daedalians)」により『ジョー・フォス優秀賞(Joe Foss Award for Excellence)』が贈られた。空軍によると、同賞の授賞は2013年以来とのこと。
2017年7月20日、ミシガン州セルフリッジ基地。第107戦闘飛行隊に所属するA-10攻撃機パイロットのブレット・デブリーズ(Brett DeVries)少佐がグレーリング演習場で機銃掃射をおこなっていた。
A-10パイロットとして8年のキャリアを持つデブリーズ少佐だったが、この日は人生最大のアクシデントに見舞われる。地上のターゲット目掛けて掃射をしていたところ、機銃にジャムが発生。その影響で直後にキャノピーが吹き飛んでしまったという。そしてキャノピーが吹き飛んだことで機体の通信機器に障害が発生し、無線機能の大部分が失われてしまう。更に着陸装置が跳ね上がった状態のままロックしてしまうというオマケ付きだった。


U.S. Air National Guard photo by Master Sgt. David Kujawa
この難易度の高いトラブルに見舞われながらも、デブリーズ少佐は機体を回復させることに成功。機体にこそダメージを残したものの、人的被害を一切出さず、近くのアルピーナ戦闘準備訓練センターに無事着陸させている。

賞の名前にもなっている「ジョー・フォス」とは、第二次大戦下のガダルカナル島の戦いにおいて、大日本帝国海軍の零式艦上戦闘機を相手に卓越した空戦を繰り広げた海兵隊のエースパイロット「ジョセフ・フォス(Joseph Jacob Foss)少佐」に由来している。
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