米軍特殊部隊用「アイアンマンスーツ」こと『TALOS』試作に1年の遅延。2019年に最新版『Mark-5』がデビュー

ミリタリーブログサポートチーム

2018年05月10日 16:18


Photo from NDIA Report
「アイアンマンスーツ(Iron Man Suit)」こと、米軍特殊作戦司令部(USSOCOM)主導による次世代の戦術強襲用軽量オペレータースーツ『TALOS(Tactical Assault Light Operator Suit)』の試作開発に、1年の計画遅延が起きていることが分かった。計画トップを務めている陸軍のジェームス・ミラー(James Miller)大佐が、国防産業協会(NDIA: National Defense Industrial Association)によるメールインタビューの中で言及している。
TALOSに求められる機能領域は、①機動性と敏捷性、②電力とエネルギー、③ヒトとデジタル機器間のインターフェース、④オペレータインタフェース/視覚補助システム、⑤目標捕捉、⑥生存性向上、⑦C4Iと広範に渡り、それらに取り組む30以上の事業者が関係する壮大なプロジェクトとなっている。それだけに発足当初から幾度となく変更が加えられており、連邦事業機会(FBO: Federal Business Opportunities)の公募要領(BAA:Broad Agency Announcement)もその都度書き換えられている。


Photo from U.S. Special Operations Command (USSOCOM)
TALOS計画は2013年当時、SOCOMを率いていたウィリアム・マクレイブン(William McRaven)司令官の下で計画されたもので、以来毎年この時期にフロリダ州タンパでおこなわれる「特殊作戦部隊産業会議(SOFIC: Special Operations Forces Industry Conference)」に向けてその経過が話題となっている。
昨年のSOFICでは、SFヒーロー映画さながらのコンセプト版プロトモデルが展示されたのと併せて、計画当初の予定通り「2018年末」にもその第一試作モデルがお披露目になると報じられていた。

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Photo from NDIA Report
ミラー大佐は「TALOSのコンセプトは概ね同じだ」とし変更なく開発が進められている現状を綴っており、「2019年には『マークファイブ(Mark-5)』と呼ばれる駆動型の外骨格のプロトモデルが披露できるだろう」とも明かしている。勿論このMark-5が最終製品となるわけではなく、「多くのイテレーション(反復)作業を繰り返しながら、更なる仕様の盛り込みをおこなう」ともしている。
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