ウクライナ国家警備隊が米国製RPG-7『PSRL-1』を導入。ドンバス最前線で実戦投入か

ミリタリーブログサポートチーム

2018年05月23日 16:07


Photo from Національна гвардія України
ウクライナ国家警備隊(UNG: Ukrainian National Guard)が今月初旬、米国製の「RPG-7」を使った訓練を実施。その様子を収めた写真を公式フェイスブックに投稿している。
このRPG-7は、テキサス州スプリング・ブランチの「エアトロニック社( AirTronic USA, Inc )」が製造する『PSRL-1』で、ワシントンのシンクタンクによると、既に東部ドンバスの最前線で実戦投入されている可能性もある。
トランプ政権は昨年の暮れに、FGM-148ジャベリン対戦車ミサイルなど、幾つかの攻撃用火器の輸出を承認しており、その中にPSRL-1も含まれていた。遡ること2017年4月に、エアトロニック社はウクライナ国営軍需貿易企業の「スペツテクノエキスポート(Spetstechnoexport)社」に対してPSRL-1×100挺を出荷している。

親ロシア系の軍事ニュースサイト「サウスフロント(Southfront)」が秘密裏に入手した情報によると、PSRL-1×100挺における総額は約55.5万ドル(=約6,100万円)であったとのこと。


Photo from Сучасна Армія
PSRL(Precision Shoulder-fired Rocket Launcher)は、エアトロニック社がRPG-7のコピー品を開発する中で培ってきた技術や経験を下地として「米国風」にブラッシュアップしたもの。旧ソ連製の有効射程が200メートル、またその派生型で現行モデルのRPG-7V2が700メートルであったのに対して、PSRLは800メートル以上と改良されている。

加えてドットサイトとマグニファイアーの搭載、ピカティニー規格レール対応による各種アクセサリー類の使用や、M16/M4スタイルのストック、グリップの利用などで拡張性を高めることができ、800メートル離れたターゲットに対する初弾発射時の命中確率は実に90%を誇っている。同社によるとこの命中率は、他のRPG製品と比べて2倍以上の精度だという。

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