2018年06月19日 15:00
スイス・ジュネーブの国際開発研究大学院、『スモール・アームズ・サーベイ(Small Arms Survey)』が発表した最新の独立調査レポートによると、世界には10億挺を超える銃が氾濫していることが分かった。
Image from Small Arms Survey
①その約85%に当たる8億5,700万挺は民間人が所有し、②続く13%に相当する1億3,300万挺が軍用、③残る2%となる2,300万超ほどが法執行機関が所有しているという。民間所有の増加理由については、「過去10年間を振り返った際、2006年度が6億5,000万人から2017年度で8億5,700万人へと人口増加していること」が挙げられている。
Image from Small Arms Survey
Image from Small Arms Survey
国別で見てみると、米国が3億9,330万挺を所有し1位となっている。2位のインドが7,110万挺であることと比べてもその突出ぶりが見てとれる。
Figure: Military Blog Japan
続いて居住者100名当たりの銃所有率を見てみると、絶対数の大きな米国は「120.5」と相変わらずの突出ぶりで1位。2位には戦乱続くイエメンが「52.8」を数えランクイン。なお同じ条件で数値化した場合、インドネシアや日本など太平洋諸国は「1以下」となるようだ。
Image from Small Arms Survey
銃器大国である米国における新規所有となった銃のタイプ別推移が発表されている。それによると、リボルバー、ショットガン、その他にカテゴライズされる銃器の推移はそれほど大きな変動が無い一方で、ピストル、ライフルの増加は目を見張るものがある。
Image from Small Arms Survey
各国軍隊の所有する銃器を上位から並べていくと、ロシアは3,030万ドル相当を保有し1位。続いて中国が2,750万ドル相当を保有し2位。続いて3位に北朝鮮が840万ドルとランクインするも、上位2ヶ国の突出ぶりが顕著で、全体の43%を保有するに至っている。ちなみに、米国においては意外と低く、450万ドルの保有で5位となっている。
Image from Small Arms Survey
上位を見てみると、ロシア、中国、インド、エジプト、米国がトップ5にランクインしている。1位のロシアは正規警察官1名に対して1.9挺の銃が割り当てられている計算となり、243万2,000挺を保有している。
Image from Small Arms Survey
また米国の法執行機関だけを抽出してみると、州・地方警察機関はポリス1名当たり1.5挺を所有し、連邦捜査局(FBI)では4.3挺、麻薬取締局(DEA)3.6挺、魚類野生生物局(FWS)5.9挺となっている。
Image from Small Arms Survey