最前線の疲弊した兵士に笑いを提供する「Vet.TV」の舞台裏

米デジタルメディア企業のVICE Mediaが、元海兵隊大尉ドニー・オマリー（Donny O’Malley）氏が運営するストリーミング・テレビ・ネットワーク「Vet.TV」（Veteran Television）の特集番組『Inside Veteran TV's Dark and Controversial Humor』を配信した。VICEのエリカ・マトソンが撮影スタジオを訪れ、オマリー氏や製作スタッフへのインタビューを行い「Vet.TV」の舞台裏に迫っている。

Vet.TVは、最前線の疲弊した兵士に‟笑い”を提供することを目的とし、オマリー氏や9.11テロ以降の軍事作戦に参加した退役軍人の体験談を基に、ブラックユーモアや下ネタを盛り込んだコメディドラマなどを製作・配信している。2016年にKickstarterで資金調達キャンペーンに成功し、2017年から配信を開始。番組は月間5ドルで視聴でき、現在の会員数は2万人を超えている。製作スタッフは、オマリー氏の家族や退役軍人などで構成されている。

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オマリー氏は、2009年に海兵隊へ25歳で入隊し、‟不朽の自由作戦（Operation Enduring Freedom）”やアジア地域に派遣された。海兵隊特殊作戦コマンド（U.S.MARSOC）に憧れていたが、2015年に軍事的医療退職（Medically Retired）となった。最終階級は大尉 / 歩兵士官（Infantry Officers / MOS 0302）だった。退役軍人をサポートする非営利団体：Irreverent Warriors Incも運営している他、戦場での体験を赤裸々に綴った書籍「Embarrassing Confessions of a Marine Lieutenant: Operation Branding Iron 2.1A」を2015年に出版している。

Vet.TVではオマリー氏が主演を務め、ゲストにはTVドラマ「ジェネレーション・キル 兵士たちのイラク戦争」で本人役で出演した元フォース・リーコンの俳優ルディ・レイエス（Rudy Reyes）、Youtubeチャンネル「A Combat Veteran」のドリュー・エルナンデス（Drew Hernandez）、アパレルブランド「Grunt Style」を運営する元海兵隊先任曹長ティム・ジェンセン（Tim Jensen）などが出演している。

Text: 弓削島一樹 - FM201807