プログラマブルグレネードランチャー「XM-25」計画をアメリカ陸軍が中止

ミリタリーブログサポートチーム

2018年08月24日 14:02


Photo from US Army
遅延を重ねていた空中炸裂式グレネードランチャー「XM-25」の開発について、この度国防総省の監査報告に基づき、アメリカ陸軍は正式に計画を中止した。
XM-25は、塹壕や建物など直接火線が通らない相手に対し、障害物の開口部を通り越したちょうどのところでグレネードが炸裂するよう設定できるプログラマブルなグレネードランチャー。

しかし2000年代初頭に始まった計画は文字通り難航。実戦テストでも36発を装填した場合の35ポンド(約16kg)というその重量が不評となったほか、2011年、2012年、2013年には暴発事故も発生している。また開発主体のOrbital ATK社、H&K社の間でも試作品の納入を巡って訴訟が発生し、泥沼化していた。

参考:
H&K社とOrbital ATK社がXM25エアバーストグレネードランチャー開発遅延訴訟について和解 - ミリブロNews

監査はXM-25計画の中止によって10億ドル(約1100億円)を節約できると指摘。今後、陸軍はOrbitalATK社と契約を解消すると共に、XM-25に関する知的財産やプロトタイプを買い取り研究に用いるという。

XM-25の代替についてはカール・グスタフ84mm無反動砲や、新型の40mmグレネード弾などが考えられている。スウェーデン・Nammo社のエアバースト式40mmグレネード弾は、外部ユニットからプログラムでき、このように飛行するドローンのそばで炸裂、撃墜することも可能となっている。

Commercial drone downed by Nammo's programmable ammunition - YouTube

Source: Army’s XM25 program officially goes kaput - News - Stripes

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201808
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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