米陸軍がM17/M18ピストル用エイミングライト『PAiL』×最大20,000セットの取得を計画

ミリタリーブログサポートチーム

2018年09月06日 13:17


Photo from U.S. Army Marksmanship Unit
This photo is for illustrative purposes only.
米陸軍で兵士携行火器用の精密捕捉装置の開発を担っている「PdM SPTD(Product Manager, Soldier Precision Targeting Devices)」が、ピストル用エイミングライト『PAiL(Pistol Aiming Light)』の取得に向けた情報提供を呼び掛ける市場調査を始めた。

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PAiLは、M17モジュラーピストルでの利用を想定したライトとレーザー光を照射する装置。森林や砂漠、市街地環境下における夜間・暗所での利用を想定したもので、「ホワイト光」とナイトビジョンゴーグル越しに視認できる「赤外線(IR)照射」機能を備えることが求められている。

なお情報依頼書(RFI)には、あえて「可視ポインター(visible pointer)は現在、高等機動センター(MCoE: Maneuver Center of Excellence)によって要求されていない」の一文も確認できる。

主な要件は以下の通り。
Pistol Aiming Light (PAiL)
・M17/M18の銃口より前方に突き出してはならない
・トリガーガードの最低部より突き出してはならない
・横幅は1.5インチ以下とし、M17のスライド幅を超えてはならない
・重量はM17用で5オンス、M18用で3オンス以下でなければならない
・新品バッテリーを詰めた状態で、M17用では90分、M18用では2時間のランタイムがなければならない
・電源はM17用がCR123バッテリー×2、M18用では×1個とする
・AN/PVS-14相当のナイトビジョンゴーグルを使って、M17用で25メートル、M18用では40メートル先に居る人物の顔認識を可能とする可視・近赤外線イルミネーション照射能力を持たなければならない
・M17/M18共に、近赤外線(NIR: Near Infrared)レーザービームの拡がり角は「1.5(±0.5)mrad(ミリラジアン)」であること
(1mradは100メートル先で10センチメートルのビーム幅に相当)
・ゼロサイト調整用にNIRレーザーポインターを備え、日中の明るさにおいて裸眼でも25メートル先を視認できること
・M17用は1メートルの水深で30分、M18用は10メートルの水深の「海水」で1時間の耐水性能がなければならない(OTB(over the beach)作戦の遂行を想定し、海水耐性が望ましい)
・M17用では戦術用グローブ、M18用ではすべての保護用グローブを着用した状態で、バッテリー交換を含め、全ての操作がおこなえる造りでなければならない
・リフレクター(反射鏡)を除いて反射しないコーティングが施され、外周は「コヨーテ491」より明るくなく、「コヨーテ498」より暗くない色味でなければならない

PAiL計画では2,000~20,000セットの取得が見込まれており、陸軍契約司令部は45日以内の回答と、関心ある事業者に対してサンプル×6セットの無償提出を求めている。
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