敵地偵察、負傷者救助、市街地戦闘…フランス軍特殊部隊が開発資金を助成する次世代ヴィークル『Flyboard』

ミリタリーブログサポートチーム

2018年11月27日 18:34

フランス軍の特殊部隊員が、空中を自由に移動する「ホバーボード(hoverboard)」を使った飛行展示をおこなった。

開発を手掛けたのは「フランキー・ザパタ(Franky Zapata)氏」。『フライボード(Flyboard)』と名付けられたこの製品を使って、セーヌ川の上空20メートル付近をベルシーに向かって飛行している。
フランス軍は、特殊部隊による敵地への偵察、負傷者の救助、市街地戦闘での利用に期待を寄せ、世界初の完全駆動型ホバーボードの開発者であるザパタ氏に対して130万ユーロ(=約1.7億円)の開発資金を投入しているという。

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地元紙「ル・パリジャン」の取材に対してザパタ氏は、「私の発明は民間人の移動を目的としていたが、こうして軍と共に開発できることは非常に光栄だ」「米国の軍需企業からも関心を寄せられたことがあったが、その申し出を断った」と述べている。

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軍特殊部隊がフライボードに関心を寄せたのは2年前。国防調達局(DGA: Direction Générale de l’Armement)がその取得を加速させたという。
現状は万人に扱えるシロモノではなく、開発者のみが自由自在に操れるに過ぎない。(ザパタ氏は、ウォーターアクティヴィティとして人気の水圧式ジェットボードのチャンピオンでもあり、卓越したバランス感覚と操作技術の持ち主)
その為、今後の開発は操作性の追求と、実戦投入を見越して騒音が少なく、安全で安定したシステムとすることが挙げられている。
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