「マニューリン MR73」リボルバー式拳銃を使用するフランス国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)

ミリタリーブログサポートチーム

2018年12月21日 17:42


Screenshot from Groupe d’intervention de la gendarmerie nationale (GIGN)
フランスの国防省国家憲兵隊(Gendarmerie…ジャンダルムリ)は、陸海空に次ぐ「第4の軍隊」として組織され、「軍の警察」という本来の任務に加えて国家警察と共に一般の警察事務にも携わっている。その中で「対テロ特殊部隊」としての任務を担っているのが『国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN: Groupe d’intervention de la gendarmerie nationale)』。
1974年に創設されたGIGNは、「介入、保護(外国でのフランスの利益)、監視・調査(テロ対策、大規模な強盗対策)」といった任務を負っており、移動式の参謀本部と380名程で構成される作戦支援部隊を備えている。
先月GIGN公式FaceBookページで公開された「命の為に交戦する」と題した上記の映像では、ハイジャック犯や建屋に籠るテロリストを排除するため、日夜ハイレベルな訓練に励む精鋭隊員の姿がアップテンポな曲と共に紹介されている。

空地に渡って無人機システムの導入が進むなどハイテク化がみられる一方で、映像の後半には老兵「リボルバー」式拳銃の『マニューリン MR73(Manurhin MR73)』が映り込み、今なお健在であることが示されている。
MR73リボルバーは、GIGN創設と時をほぼ同じくする1973年にフランス企業「マニューリン社」によって開発。GIGNを含むジャンダルムリの火器としてだけでなく、内務省国家警察総局に設置された特殊部隊、『国家警察特別介入部隊(RAID)』でも制式化されている。


Screenshot from Groupe d’intervention de la gendarmerie nationale (GIGN)
GIGNでは訓練生が「MRセレモニー」なる洗礼を浴びる。儀式最大の山場は15メートルほど離れた射撃レンジで、仲間自らがターゲットの位置に立ち、その周りに並べられた風船を撃ち抜くことや、胴体前面のボディーアーマーに仕掛けたターゲットを精確に狙い撃つという試練が待ち構えている。
GIGNはその任務の特性もあり、射撃技術に対して特に力を入れていることで知られるが、技術だけでなく隊員同士の厚い信頼を築いていることが示され、乗り越えた者の左肩に晴れてメンバーの一員を示す部隊章が貼り付けられている。
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