被害数億円規模 ロシア連邦保安庁のエリート特殊部隊員が押収された現金を着服していたことが明らかに

ミリタリーブログサポートチーム

2019年07月18日 20:32


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ロシア連邦保安庁FSBの特殊部隊「アルファ」「ヴィンペル」の一部の隊員が、強制捜査の際に現場で押収された現金を着服していたことが明らかになった。犯行は部門ぐるみの組織的なもので、国内外の犯罪組織との協力関係もあったことから、アルファ部隊のトップ、ヴァレリー・カナキン(Valery Kanakin)の解任など大騒ぎになりつつある。
連邦保安庁FSBの特殊部隊はしばしば家宅捜索に同行する。その際に発見された現金が後の集計で差が出ることがしばしばあった。2016年、FSBの汚職対策総管理局長ドミトリ・ザハルチェンコが収賄の容疑で逮捕された際、家宅捜索で押収された90億ルーブルのうち1億ルーブルが紛失した。また国営企業Ateksに対するFSBとロシア連邦警護庁FSOの合同捜査でも同様に多量の現金が紛失していた。

内部調査によって、これらの家宅捜索には同じ隊員達が関与していることが判明。結果、FSBで経済犯罪を担当する「K局」が主導していたことが分かった。

K局は性質上、公にできない資金をもつ犯罪組織との強いつながりがあり、不正資金の情報を受け取る見返りとして、彼らに対し現金輸送の際の警護や捜査情報のリークを行っていた。また、さらには表沙汰にできない現金を非公式に「押収」するなどマネーロンダリングにも関与していたと見られる。なお、現金を着服する時は、現場の隊員が、予め防弾プレートを抜いておいた防弾ベストに隠して搬出していたという。

特殊部隊員だけでなく、税務調査官や地下銀行の幹部など30人近くの関与が明らかになっており、在宅逮捕を含め10名以上がすでに拘束されている。残りも指名手配中であるが、その中の北コーカサス地方で作戦行動中の8人の隊員は行方がわからなくなっているという。

Sources: Case of FSB raiders: fighters loaded stolen money into body armor, Case of raiders from FSB who protected thief in law Kostya Shram and 'cashier' of Podolskaya OCG, Eight FSB officers hid in North Caucasus after arresting colleagues in robbery case, FSB unit Alpha head discharged

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201907
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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