米空軍が戦闘機パイロットの前立腺ガン罹患率を調査
大気の薄い高空を飛ぶ戦闘機パイロット達は、太陽からの強い紫外線や宇宙線にさらされる。このため各種のガンに罹患(りかん)する率が高いと言われている。特に前立腺がんについてアメリカ空軍が調査を行っていたことが明らかになった。
この調査は退役軍人団体からの問い合わせから、2018年に空軍参謀総長デービッド・ゴールドファインが指示したものである。調査は1986年から2006年までに勤務したパイロット4,949人、非パイロット職83,483人の医療記録をベースにしたもので、この中で前立腺ガンの罹患者は2名、そしてパイロットと非パイロット職で差は見られなかったという。
しかし、ワシントンD.C.に拠点を置く報道機関、マクラッチーが退役軍人保健局から入手したデータによれば、1年度、1つのガンの診断につき、1件とカウントした場合2000年だけで12,123件、2018年には35,772件が報告されているという。
この大きな食い違いは、空軍のデータが在籍中の医療記録、つまり健康な時期しか追跡できず退役後の高齢期のデータが不足していることから発生しているという。これは空軍のレポートでも「データの網羅と追跡が十分でない可能性がある」と言及がある。そもそも軍人の在籍期間は、個人の健康変化を追跡するには十分とはいえないものだ。
また、パイロットは退役後、民間のエアラインパイロットに再就職するケースが多い。そうした人は軍人の健康保険ではなく会社の健康保険を使用するため、こちらも記録の追跡が難しくなる。
空軍は報道に対し「今後も調査を続ける」とコメントしている。陸軍・海軍の航空隊もサンプルに含めたいが、空軍と比較するのに十分な数ではなく難しいようだ。
Source:
Air Force Studying If Fighter Pilots At Risk Of Prostate Cancer - Task & Purpose
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201908
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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