海賊による人質事件が過去最悪に=非殺傷兵器の開発が活発に
ICC(International Chamber of Commerce:国際商業会議所)の特殊局であるIMB(International Maritime Bureau:国際海事局)は17日、海賊による襲撃関連での週間報告において、昨年度の海賊による人質事件が過去最悪のレベルであったと報じた。
IMBの報告によると、昨年度の海賊による被害では、53隻の船舶がハイジャックされたとし、1,181人の乗員が捕らえられ、8人が殺害されたとしている。
IMBでは、こうした海賊による被害の実態を調査する中で、とりわけこの直近4年間における被害船舶の上昇について言及しており、昨年度では445回の海賊による船舶への攻撃が報告されているとしている。
2010年を終え21世紀に入ってから最初の10年が経過した。20世紀末に体験した冷戦崩壊後から軍事情勢が大きな転換を向かえ、それまでの「国家対国家」という「対称的な脅威」だけでなく、「国家体と非国家体」の間に生じる新たな脅威(=非対称脅威)の存在が取り沙汰される機会が多くなったのは大きな特徴の1つと言える。こうした「非対称脅威」は海賊問題も例外ではない。
このような海賊や国籍不明の武装不審船などへの対処において使われることが多くなったのが「非殺傷兵器」で、近年ではその開発が活発化している。
2007年に米空軍がリリースしたファクト・シートで紹介のあった非致死性の「PHaSR(Personnel Halting and Stimulation Response)」ライフルは、その近未来な外観からも話題となった。
PHaSRはライフルサイズの兵器で、相手の攻撃本能を挫く為に、非致死性の2種類のレーザー波長を使用している。この兵器で発生するレーザー光線によって相手は一時的に戦闘能力を損ない、幻惑することになる。
その他にも致死性を持たない「非殺傷兵器」は、既に幾つもその情報が公開されている。
こちらも先程のPHaSRと同じく2007年に撮影された写真で、米軍により開発が進められているADS(Active Denial System:行動制止システム)と呼ばれる非殺傷兵器だ。
HPM(High-Powered Microwaves:高出力マイクロ波)によるADS開発の取り組みでは、CFR(Code of Federal Regulations:米国連邦規制基準)の報告によると、ミリ波によるエネルギーを利用することで痛みを感じさせることが無いうちに、耐え難いような皮膚加熱を発生させ、吐き気をもよおすよう作用するとしている。
現在米軍ではこのADSのプロトタイプ能力を見出し、今後も評価を続けつつも早い段階で実戦配備を進めたいとしている。
⇒New Weapon: Active Denial System, Part 1
海賊問題から非殺傷兵器の話題へと逸れてしまったが、先日もお隣の国、韓国で海賊による被害が報告され、日本でもソマリア沖・アデン湾海賊対処に海上自衛隊が派遣されるなど、看過できない情勢にあるのが現状だ。
参考記事:
http://www.icc-ccs.org/news/429-hostage-taking-at-sea-rises-to-record-levels-says-imb
http://www.kirtland.af.mil/shared/media/document/AFD-070404-043.pdf
http://www.ref.army.mil/pdfs/Unconventionalweapons.pdf
http://www.af.mil/news/story.asp?storyID=123012699
http://www.globalsecurity.org/military/systems/ground/v-mads.htm
http://www.army.mil/-images/2007/01/26/2124/
IMBの報告によると、昨年度の海賊による被害では、53隻の船舶がハイジャックされたとし、1,181人の乗員が捕らえられ、8人が殺害されたとしている。
IMBでは、こうした海賊による被害の実態を調査する中で、とりわけこの直近4年間における被害船舶の上昇について言及しており、昨年度では445回の海賊による船舶への攻撃が報告されているとしている。
2010年を終え21世紀に入ってから最初の10年が経過した。20世紀末に体験した冷戦崩壊後から軍事情勢が大きな転換を向かえ、それまでの「国家対国家」という「対称的な脅威」だけでなく、「国家体と非国家体」の間に生じる新たな脅威(=非対称脅威)の存在が取り沙汰される機会が多くなったのは大きな特徴の1つと言える。こうした「非対称脅威」は海賊問題も例外ではない。
このような海賊や国籍不明の武装不審船などへの対処において使われることが多くなったのが「非殺傷兵器」で、近年ではその開発が活発化している。
2007年に米空軍がリリースしたファクト・シートで紹介のあった非致死性の「PHaSR(Personnel Halting and Stimulation Response)」ライフルは、その近未来な外観からも話題となった。
PHaSRはライフルサイズの兵器で、相手の攻撃本能を挫く為に、非致死性の2種類のレーザー波長を使用している。この兵器で発生するレーザー光線によって相手は一時的に戦闘能力を損ない、幻惑することになる。
その他にも致死性を持たない「非殺傷兵器」は、既に幾つもその情報が公開されている。
こちらも先程のPHaSRと同じく2007年に撮影された写真で、米軍により開発が進められているADS(Active Denial System:行動制止システム)と呼ばれる非殺傷兵器だ。
HPM(High-Powered Microwaves:高出力マイクロ波)によるADS開発の取り組みでは、CFR(Code of Federal Regulations:米国連邦規制基準)の報告によると、ミリ波によるエネルギーを利用することで痛みを感じさせることが無いうちに、耐え難いような皮膚加熱を発生させ、吐き気をもよおすよう作用するとしている。
現在米軍ではこのADSのプロトタイプ能力を見出し、今後も評価を続けつつも早い段階で実戦配備を進めたいとしている。
⇒New Weapon: Active Denial System, Part 1
海賊問題から非殺傷兵器の話題へと逸れてしまったが、先日もお隣の国、韓国で海賊による被害が報告され、日本でもソマリア沖・アデン湾海賊対処に海上自衛隊が派遣されるなど、看過できない情勢にあるのが現状だ。
参考記事:
http://www.icc-ccs.org/news/429-hostage-taking-at-sea-rises-to-record-levels-says-imb
http://www.kirtland.af.mil/shared/media/document/AFD-070404-043.pdf
http://www.ref.army.mil/pdfs/Unconventionalweapons.pdf
http://www.af.mil/news/story.asp?storyID=123012699
http://www.globalsecurity.org/military/systems/ground/v-mads.htm
http://www.army.mil/-images/2007/01/26/2124/
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