中国「殲20」に米国はF-15アップグレード機で対策か
試験飛行の公開がおこなわれて以来、話題沸騰中の中国の次世代戦闘機「殲20(J-20)」。チベットでの虐殺や、新疆ウィグルでの武力制圧、天安門での流血など中国共産党による一党独裁の事実上の「軍事国家」が手にするハイテク戦闘機に関心が集まらないはずがない。
米国誌 WIREDは「殲20」に関する興味深い記事を掲載し、話題となっている。
WIREDによれば、ペンタゴン(国防総省)は、中国 殲20への対抗馬としてF-22ラプターをロッキード・マーチンから追加購入する可能性を否定し、代わりに「Gulf War(湾岸戦争 91年~)の星」と形容している、F-15 EAGLEの近代化・アップグレード機を据えるであろうと掲載した。
1973年に米空軍で研究が進められたATF(Advanced Tactical Fighter:先進戦術戦闘機)計画によってF-22の開発は進められた。その後F-22は、ロッキード・マーチンで750機の調達が予定されていたが、2009年にオバマ米大統領が米議会との確執が報道される中で、2010年時点では最終187機の調達での生産中止が発表されている。
考え得る限りの最新技術の粋を結集させたF-22の価格は、当然にして高騰することとなった。また、調達されるであろう機体数に、追加発注の見込みが潰えたことが、更なる機体調達価格の拍車を掛け、最終的にはF-15と比較しても、2倍以上の調達価格となっていることが、調達における最大のネックとされていた。
米国防総省は、F-35の生産の遅れを懸念し、米空軍司令部に対して冗長化的に据え置いていた予算を、F-15の電子装置アップグレードによる近代化改修へと予算の割り当てを行うとしている。
また、同誌によればF-15とF-22、またはF-35といった戦闘機の組み合わせは、航空戦闘における基本スタイルとしての運用が想定されているとし、中でもF-15におけるセンサーによる探知能力は特筆すべきものを持つとしている。この能力の特化させることで、来るべき殲20との対峙を想定することになる。
機首が大きなF-15には、大型でより高性能化された機器の改装をしやすい。日本の防衛省では、先進統合センサ・システムに関する研究において、ステルス機の探知及び対処を可能とする戦闘機について、搭載用センサ・システムに関する研究をおこなっているとしており、現代戦闘機における標準装備ともなっている新型センサーのIRST(InfraRed Search and Track:赤外線捜索追尾装置)の解説が「平成23年度概算要求の概要」にも掲載されている。
このIRSTについては、近い将来において電子戦の様相が強くなる環境を考慮し、火器管制レーダの探知性能の低下を補完することを目的としており、ターゲットとする航空機の熱源を探知するパッシブ方式のセンサーとなる。相手が低RCS(Radar Cross Section:レーダー反射断面積)となっているステルス戦闘機であっても、探知能力の向上を期待できる。そして、図のように一般的なレーダーと比べても広範囲の覆域を持つことも特徴として挙げられる。
また、F-15のアップグレードについてレイセオンでは、2007年に航空防衛の主力装備としてAESA(Active Electronically Scanned Array)方式のAPG-63(V)3を発表し、既に多くのF-15にも搭載が完了している。またレイセオンでは、AESAのレーダーシステムを、ミッション中における地上や空中において飛び込む、様々なライブ情報を瞬時に解析し、共有する可能性を秘めたものとしている。
APG-63(V)3が搭載されたF-15戦闘機が既に昨年末に沖縄へ飛来しており、2013年までには12~18機のF-22と、54機のアップグレードされたF-15が集結することとなり、今後沖縄は最新のF-15のホーム基地となる。
参考記事:
http://www.wired.com/dangerroom/2011/01/old-school-jet/#
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2011/gaisan.pdf
http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_generic.jsp?channel=defense&id=news/VOTE072109.xml&headline=Senate%20Backs%20Obama%20On%20F-22%20Shutdown
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2008/2008/pdf/20shiryo3_4.pdf
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/14/jizen/youshi/08.pdf
http://www.raytheon.com/newsroom/technology/f15c/
http://www.raytheon.com/capabilities/products/aesa/
http://www.youtube.com/watch?v=ITSWJXw5Z3c

WIREDによれば、ペンタゴン(国防総省)は、中国 殲20への対抗馬としてF-22ラプターをロッキード・マーチンから追加購入する可能性を否定し、代わりに「Gulf War(湾岸戦争 91年~)の星」と形容している、F-15 EAGLEの近代化・アップグレード機を据えるであろうと掲載した。
1973年に米空軍で研究が進められたATF(Advanced Tactical Fighter:先進戦術戦闘機)計画によってF-22の開発は進められた。その後F-22は、ロッキード・マーチンで750機の調達が予定されていたが、2009年にオバマ米大統領が米議会との確執が報道される中で、2010年時点では最終187機の調達での生産中止が発表されている。
考え得る限りの最新技術の粋を結集させたF-22の価格は、当然にして高騰することとなった。また、調達されるであろう機体数に、追加発注の見込みが潰えたことが、更なる機体調達価格の拍車を掛け、最終的にはF-15と比較しても、2倍以上の調達価格となっていることが、調達における最大のネックとされていた。
米国防総省は、F-35の生産の遅れを懸念し、米空軍司令部に対して冗長化的に据え置いていた予算を、F-15の電子装置アップグレードによる近代化改修へと予算の割り当てを行うとしている。

機首が大きなF-15には、大型でより高性能化された機器の改装をしやすい。日本の防衛省では、先進統合センサ・システムに関する研究において、ステルス機の探知及び対処を可能とする戦闘機について、搭載用センサ・システムに関する研究をおこなっているとしており、現代戦闘機における標準装備ともなっている新型センサーのIRST(InfraRed Search and Track:赤外線捜索追尾装置)の解説が「平成23年度概算要求の概要」にも掲載されている。
このIRSTについては、近い将来において電子戦の様相が強くなる環境を考慮し、火器管制レーダの探知性能の低下を補完することを目的としており、ターゲットとする航空機の熱源を探知するパッシブ方式のセンサーとなる。相手が低RCS(Radar Cross Section:レーダー反射断面積)となっているステルス戦闘機であっても、探知能力の向上を期待できる。そして、図のように一般的なレーダーと比べても広範囲の覆域を持つことも特徴として挙げられる。

APG-63(V)3が搭載されたF-15戦闘機が既に昨年末に沖縄へ飛来しており、2013年までには12~18機のF-22と、54機のアップグレードされたF-15が集結することとなり、今後沖縄は最新のF-15のホーム基地となる。
参考記事:
http://www.wired.com/dangerroom/2011/01/old-school-jet/#
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2011/gaisan.pdf
http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_generic.jsp?channel=defense&id=news/VOTE072109.xml&headline=Senate%20Backs%20Obama%20On%20F-22%20Shutdown
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2008/2008/pdf/20shiryo3_4.pdf
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/14/jizen/youshi/08.pdf
http://www.raytheon.com/newsroom/technology/f15c/
http://www.raytheon.com/capabilities/products/aesa/
http://www.youtube.com/watch?v=ITSWJXw5Z3c
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