米海兵隊、水陸両用強襲車輌ACV計画の代案分析作業を開始
DoD (Department of Defense:米国防総省) では、中止が決定された 米海兵隊 EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) に代わって RfI (Request for Inquiry) が発出された ACV (Amphibious Combat Vehicle) について、代案分析作業 (AoA:Analysis of Alternatives) を開始した。EFV は米海兵隊の AAV7 水陸両用強襲車輌 の後継として進められていたが、2011年1月に Robert M. Gates 国防長官 (当時) の下で国防予算上の制約によって、開発の中止が宣言されている。
強襲揚陸任務を主眼においたとき、海兵隊では STOM (Ship-To-Objective Maneuver:揚陸艦艇から目標地点への機動作戦) において、上陸地点から 最大で 50nm (約93km) 離れた洋上の 揚陸艦 から MV-22 Osprey が発進、また 40nm (約74km) では LCAC が、そして 25nm (約46km) で EFV が、それぞれ発進するといった作戦が策定されてきた。このような沖合いの安全が確保された揚陸艦を発信基地とした 水平線を越えての強襲作戦では、いずれの兵器においても高速かつ長距離航続の性能が求められた。とりわけ強襲揚陸車輌の最も特徴的な水上航行については、Marine Corps Systems Command によれば、AAV7 では その最高速度が 第二次大戦中の 水陸両用トラクター が 6~8 knot (11~14.8km/h) となり、ほぼ同程度。陸地で待ち構える敵戦闘車両などの火器陣地によって格好の標的とされたことからも、その改善が強く求められていた。
これらの要求に応えるべく開発された EFV では AAV7 と比較して、水上で AAV7 (13km/h) の 3倍超 となる 時速 46km の航行速度を実現。また陸上でも AAV7 と同様に 70km/h 超の高い機動性を発揮。陸上での機動性能は M2/M3 Bradley (ブラッドレー歩兵戦闘車) の走行速度が 60km/h 、M1 Abrams戦車 の最高速度が 67km/h であることからも、揚陸後の展開にも期待された。
中止が決まったこの EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) の代わりで開発が進められる ACV では、海兵隊員 17 名を載せて 12nm (22km) 沖合から 8kt (14.8km/h) の速度で航走できる性能を目指すとしている。PM AAA (Program Manager Advanced Amphibious Assault) によれば ACV では 乗員の生存性を高め、また中規模の部隊で活躍できる MPC (Marine Personnel Carrier) としても画期的に発展を遂げた車輌として再構築をする、としている。なお、ACV について 海兵隊 では 573両 の調達を希望している。
Forecast International 2012/2/6
DefenseNews 2011/2/21
Program Manager Advanced Amphibious Assault
Department of the Navy, Marine Corps Combat Development Command 1997/07/25
Marine Corps Systems Command 2009/06/19
Photo: EFV Program Office
強襲揚陸任務を主眼においたとき、海兵隊では STOM (Ship-To-Objective Maneuver:揚陸艦艇から目標地点への機動作戦) において、上陸地点から 最大で 50nm (約93km) 離れた洋上の 揚陸艦 から MV-22 Osprey が発進、また 40nm (約74km) では LCAC が、そして 25nm (約46km) で EFV が、それぞれ発進するといった作戦が策定されてきた。このような沖合いの安全が確保された揚陸艦を発信基地とした 水平線を越えての強襲作戦では、いずれの兵器においても高速かつ長距離航続の性能が求められた。とりわけ強襲揚陸車輌の最も特徴的な水上航行については、Marine Corps Systems Command によれば、AAV7 では その最高速度が 第二次大戦中の 水陸両用トラクター が 6~8 knot (11~14.8km/h) となり、ほぼ同程度。陸地で待ち構える敵戦闘車両などの火器陣地によって格好の標的とされたことからも、その改善が強く求められていた。
これらの要求に応えるべく開発された EFV では AAV7 と比較して、水上で AAV7 (13km/h) の 3倍超 となる 時速 46km の航行速度を実現。また陸上でも AAV7 と同様に 70km/h 超の高い機動性を発揮。陸上での機動性能は M2/M3 Bradley (ブラッドレー歩兵戦闘車) の走行速度が 60km/h 、M1 Abrams戦車 の最高速度が 67km/h であることからも、揚陸後の展開にも期待された。
中止が決まったこの EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) の代わりで開発が進められる ACV では、海兵隊員 17 名を載せて 12nm (22km) 沖合から 8kt (14.8km/h) の速度で航走できる性能を目指すとしている。PM AAA (Program Manager Advanced Amphibious Assault) によれば ACV では 乗員の生存性を高め、また中規模の部隊で活躍できる MPC (Marine Personnel Carrier) としても画期的に発展を遂げた車輌として再構築をする、としている。なお、ACV について 海兵隊 では 573両 の調達を希望している。
Forecast International 2012/2/6
DefenseNews 2011/2/21
Program Manager Advanced Amphibious Assault
Department of the Navy, Marine Corps Combat Development Command 1997/07/25
Marine Corps Systems Command 2009/06/19
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