米空軍が選ぶ「おそらく聞いたことがないであろう革新的な空軍機 5 選」
米空軍は 9 月 29 日、公式 blog で、「おそらく聞いたことがないであろう革
新的な空軍機5選」(Five innovative Air Force aircraft that you’ve probably never heard of) と題したエントリーを公開した。これは、革新的な技術の実験や実証のために開発され、また大きな成果を残しているにもかかわらず、あまり有名ではない、歴史の中に埋もれた機体を紹介したものだ。
選ばれたのは XC-142A、D-21B、タシット・ブルー、X-40A、ボリアリスの 5 機である。
以降は B-52 爆撃機に吊るされて飛行し、空中で切り離して発進する形式が採られた。ラムジェットエンジンを起動させるために必要なスピードを稼ぐため D-21 にはロケットブースターが装備されるなどの修正も行われた。B-52 からの発射は成功し、運用に入ったが、そのミッションの詳細については今も明らかにされていない。その後 1971 年に計画は中止された。
ノースロップ社は米空軍、国防高等研究計画局と共同で、1978 年から 1985 年まで、レーダーの電波がどのように反射をするか、またそれを低減するにはどうすべきか、といった試験を実施した。初飛行は 1982 年 2 月で、1985 年の計画完了までの間に 135 回飛行した。操縦系統にはディジタル・フライバイワイヤーが採用されるなど、ステルス技術以外にも先進的な技術が用いられていた。
X-40A は実際に宇宙へは行かず、ヘリコプターで上空から投下されて滑空飛行を行い、飛行特性の研究や、無人での自律飛行するためのシステムの開発が行われた。1998 年 8 月 11 日に初飛行を行い、その後 NASA に貸し出されるなどして、計 7 回の飛行が行われた。また 2008 年 1 月 31 日には、パルス・デトネーション・エンジンを搭載しての動力飛行も実施している。
X-40A の成果によって、後に軍用のスペースシャトルである X-37B が開発された。X-37B は現在までに 2 機が製造され、1 号機が 2 回、2 号機が 1 回の、計 3 回打ち上げられており、3 回目のミッション( 1 号機の 2 回目の飛行)は現在も継続中だ。X-37B のミッション内容は極秘とされており、宇宙空間で何をしているかは明らかにされていない。
U.S. Airforce official blog 2014/09/29
Text : 鳥嶋真也 - FM201410
新的な空軍機5選」(Five innovative Air Force aircraft that you’ve probably never heard of) と題したエントリーを公開した。これは、革新的な技術の実験や実証のために開発され、また大きな成果を残しているにもかかわらず、あまり有名ではない、歴史の中に埋もれた機体を紹介したものだ。
選ばれたのは XC-142A、D-21B、タシット・ブルー、X-40A、ボリアリスの 5 機である。
XC-142A は垂直離着陸輸送機の実験機で、1964 年 9 月 29 日に初飛行した。エンジンは 4 発で、オスプレイのように翼ごと傾けてヘリコプター・モードと飛行機モードを切り替えられる、ティルト・ローター機だ。引退までに米陸軍や米海軍、米空軍や米航空宇宙局 (NASA) など、多くの機関によって試験が行われた。
CHANCE-VOUGHT/LTV XC-142A
D-21B は高高度を高速で飛行し、敵地を偵察することを目的として設計された無人機で、ロッキード社の精鋭ぞろいのチームであるスカンク・ワークスによって設計された。D-21B はラムジェットエンジンで飛行する機体で、超音速・高高度偵察機 A-12 の派生型である M-12 の背中から空中発射される。M-12 と D-21 とが結合された状態での初飛行は 1964 年 12 月 22 日に実施され、1966 年 3 月 5 日に初の空中発射を実施した。その後 2 回の発射が成功したものの、1966 年 7 月 30 日に発射に失敗し、M-12 と衝突、両機は墜落し、乗組員のうち 1 人が死亡した。
LOCKHEED D-21B
以降は B-52 爆撃機に吊るされて飛行し、空中で切り離して発進する形式が採られた。ラムジェットエンジンを起動させるために必要なスピードを稼ぐため D-21 にはロケットブースターが装備されるなどの修正も行われた。B-52 からの発射は成功し、運用に入ったが、そのミッションの詳細については今も明らかにされていない。その後 1971 年に計画は中止された。
タシット・ブルーは、全翼機で有名なノースロップ社の実験機で、ステルス技術の試験を行うために開発された。タシット・ブルーとは「沈黙の青」という意味を持つ。
NORTHROP TACIT BLUE
ノースロップ社は米空軍、国防高等研究計画局と共同で、1978 年から 1985 年まで、レーダーの電波がどのように反射をするか、またそれを低減するにはどうすべきか、といった試験を実施した。初飛行は 1982 年 2 月で、1985 年の計画完了までの間に 135 回飛行した。操縦系統にはディジタル・フライバイワイヤーが採用されるなど、ステルス技術以外にも先進的な技術が用いられていた。
X-40A は、ボーイング社によって開発された、宇宙往還機の試験機である。米空軍は 1990 年代の終わりに、小型の人工衛星を軌道に投入したり、地上を偵察したり、また軍事衛星への燃料補給といったミッションを行うための宇宙機の開発を計画した。そしてそのための試験機の開発をボーイング社に発注、そして開発されたのが X-40A だった。
BOEING X-40A
X-40A は実際に宇宙へは行かず、ヘリコプターで上空から投下されて滑空飛行を行い、飛行特性の研究や、無人での自律飛行するためのシステムの開発が行われた。1998 年 8 月 11 日に初飛行を行い、その後 NASA に貸し出されるなどして、計 7 回の飛行が行われた。また 2008 年 1 月 31 日には、パルス・デトネーション・エンジンを搭載しての動力飛行も実施している。
X-40A の成果によって、後に軍用のスペースシャトルである X-37B が開発された。X-37B は現在までに 2 機が製造され、1 号機が 2 回、2 号機が 1 回の、計 3 回打ち上げられており、3 回目のミッション( 1 号機の 2 回目の飛行)は現在も継続中だ。X-37B のミッション内容は極秘とされており、宇宙空間で何をしているかは明らかにされていない。
ボリアリスは、パルス・デトネーション・エンジンを使用した初の有人航空機として、2008 年 1 月 31 日に初飛行した。開発は空軍研究所 (AFRL) と Innovative Scientific Solutions Inc. (ISSI) が共同であたり、機体は天才的な航空機設計者のバート・ルータンによって設計されたロング EZ (Long-EZ) を改修して造られた。またパルス・デトネーション・エンジンも、一部は既製の自動車部品を使って造られているという。
SCALED COMPOSITES LONG-EZ “BOREALIS”
U.S. Airforce official blog 2014/09/29
Text : 鳥嶋真也 - FM201410
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