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米サンディア国立研究所で、眼球が持つ焦点調整のメカニズムに倣った新たなスコープが開発中

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米サンディア国立研究所で、眼球が持つ焦点調整のメカニズムに倣った新たなスコープが開発中
米国の国立研究所で、陸軍の特殊部隊出身者による協力を受ける中、新たなスナイパー スコープの開発が進められている。

サンディア国立研究所 (Sandia National Laboratories) で開発が取り組まれている「RAZAR (Rapid Adaptive Zoom for Assault Rifles)」と呼ばれるそのプロトタイプは、眼球が持つ焦点調整のメカニズムに倣ったスコープとなる。

現在主流のスコープでは、ターゲットまでの距離に応じて適切な焦点の調整を図る為に、スコープ本体に搭載されているベゼルを回す必要がある。これでは、敵を狙う緊迫した状況の中で、視界が変わり、不要な動きをすることで、一瞬のチャンスを見逃すばかりか、ターゲットそのものを見失う事態になり兼ねないと考えられてきた。

そこで RAZAR では、リモート式のボタンをクリックで調節することが可能となっており、ターゲットまでの距離に応じた焦点の調整作業を、視界を変えることなくスムーズにおこなえるようになっている。

また、RAZAR には特許取得済の「Adaptive Zoom」と呼ばれるアクティブ光学ズームのシステムが使われており、従来型スコープにあった 2 つのレンズ距離を変えていた仕組みを、レンズの曲率を変化させることにより実現。

ヒトの眼球では、距離に応じた焦点調整を図る際に、眼球のレンズは毛様体筋と呼ばれる筋肉の収縮運動 (contraction of the ciliary muscle) によって、その厚みを変化させて距離に応じた最適なフォーカス調整を可能としている。
Three core technologies make adaptive zoom work for RAZAR:
* A polymer lens core has two flexible, hermetically sealed membranes, which encapsulate a polymer fluid. The three-quarter-inch lenses are aligned with glass lenses to complete the optical design.
* A piezoelectric actuator electro-mechanically changes the flex of the lenses, achieving the correct position within 250 milliseconds to an accuracy of 100 nanometers, about 1/100th the thickness of a human hair. These actuators operate the way the muscles of the human eye change the curvature of the eye’s lens to focus far away or up close.
* Variable-focal length system design tools had to be developed from scratch, including analytical expressions and computer models that trace rays of light through optical systems.
RAZAR は、単三電池 (AA batteries) × 2 本で駆動し、10,000 回のフォーカス チェンジをおこなうことが可能で、軍用ライフルの他、バードウォッチングなどのアウトドアシーンでの活用にも期待が寄せられている。

Sandia National Laboratories 2014/10/22


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